ちなみに、ここ「福郎」を切り盛りするのは吉祥寺出身のオーナー料理人、牧野大輔さんとその妻の理映さん。店名には「みんなが幸せに楽しくいられる場所にしたい」という思いを込めた。
そんなご夫婦に絵美さんの印象を聞いた。大輔さんは「明るい、おもろい、嘘をつかない。信用できるいい奴です」。理映さんは「こう見えて、じつは細かく気遣いができる子。酔っ払った人にそっとお水を出したり(笑)」。
ディンプレックス社製の電気暖炉も店内を暖める。
カウンターで気持ちよさそうに酔っているご婦人も言う。
「この子がいるだけで、お店の中が明るくなるのよ。あとね、やさしい。私が日本酒をこぼしたときもこっそり注ぎ足してくれたり」。
やがて、ご婦人から「一杯飲む?」と嬉しい申し出。
というわけで、愛と平和に満ちたひとときでした。次回は名物の海鮮チラシ「福郎丼」をいただきたい。では、最後に読者へのメッセージをお願いします。
【取材協力】福郎住所:東京都武蔵野市吉祥寺南町2-9-10電話番号:0422-49-8978https://fukurou-kichijouji.owst.jp「看板娘という名の愉悦」Vol.136好きな酒を置いている。食事がことごとく美味しい。雰囲気が良くて落ち着く。行きつけの飲み屋を決める理由はさまざま。しかし、なかには店で働く「看板娘」目当てに通い詰めるパターンもある。もともと、当連載は酒を通して人を探求するドキュメンタリー。店主のセンスも色濃く反映される「看板娘」は、探求対象としてピッタリかもしれない。
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石原たきび=取材・文