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ついつい見惚れるリアの美しさ

空冷ポルシェに乗っているが、つくづく感じるのはいかにもドイツらしい生真面目さだ。たとえばエアコンひとつにしても、まるで工場の空調設備のような難解な操作は、いまだ正しい使い方がわからない。たぶん論理的な思考回路なら一目瞭然なのだろうけれど。
それでなくともポルシェは、空冷やRRといった自らに課したルールを頑なに守り続け、その制約の中で技術に磨きをかけてきた。時間をかけて解決策を見つけ、必要とあれば宗旨変えも厭わない。だからこそカイエンやパナメーラだって生まれてきたし、クーペ、SUV、サルーンとスタイルは多様化してもブランドの哲学に変わりはない。杓子定規ともいえるが、その姿勢は決して嫌いではない。
パナメーラに加わったスポーツツーリスモは、ワゴンというよりシューティングブレークを思わせる。シューティングブレークに憧れるのは、きっと誰に何と言われようと譲らぬ信念を感じさせるからだろう。狩りに行くならオフローダーもあるだろうに、あえて高級サルーンをカスタマイズしてしまう。そんなゴージャスな異端に憧れるのだ。
その印象はパナメーラ スポーツツーリスモにも通じる。スポーティさに機能美を備えたリアビューの美しさには見惚れてしまう。もし乗ったとしたら、自分でも狩りに行きたくなるかもしれない。紅葉狩りぐらいだけれど。でもそんな新しいライフスタイルの扉を開くきっかけになるだろう。
時計ジャーナリスト
柴田 充
コピーライター、編集者を経てフリーランスに。広告制作やメンズライフスタイル誌に寄稿。現在、ポルシェ911(タイプ964)とスマートブラバスのほか、ホンダのバイクCB400Fが愛機。
 

とことんアウトドアを楽しみたい

実は私、これまで8台のポルシェを乗り継いできた大のポルシェファン。生粋のスポーツカーでありながら普段使いにも十分応える実用性、扱いやすさを備えていて、真の意味でデイリーユースできる。しかも、見た目はどれもアイデンティティが濃厚というところに惚れ込んでいます。
もちろんパナメーラ スポーツツーリスモも例外ではありません。ポルシェらしいフロントマスク、ロー&ワイドのスポーツカーシルエットを持ちながら何と最大1384Lの荷室を備えています。しかも最大5名乗車が可能な一方で、走りはまさにスポーツカー。
速さは選ぶパワートレインによって異なりますが、車との一体感、走りの充足感はどれも共通。これがポルシェは本当に優れているんです。
私はe-Bikeでツーリングを楽しむために、遠方まで車で出かけるなんてことも多いのですが、そんなときでも道中の走りが退屈な車は、絶対に選びません。その点、パナメーラ スポーツツーリスモは間違いなく完璧な選択になります。
私なら「E-Hybrid」を選んで、e-Bikeはヒッチキャリアでも取り付けて外積みに。そして室内でバッテリーを充電します。荷室にはウェアやヘルメット、それとキャンプグッズでも積んでおいて。
目的地に着いてからはもちろん、行き帰りも大満足の休日が送れるでしょうし、普段の単なる移動だって心弾むものになること、間違いありません!
モータージャーナリスト
島下泰久
自動車評論家として独立してほぼ四半世紀。業界きってのポルシェツウで、レースも嗜み走りには一家言アリ! 注目の車を試乗レポートするYouTube動画「RIDE NOW」も好調。
 
髙村将司=文


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