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さて、168cmという長身の智雅さんは小中高とバレーボールに打ち込んだ。クリスマスシーズンということで、サンタさんの思い出について聞いてみた。
「小5のとき、夜中にたまたま起きたら、お父さんがお母さんに『智雅のWii、どこに置く?』って言ってるのを聞いちゃって。そこで、ひとつ大人になりました(笑)」。
あれから約10年。成長した智雅さんについて、店の代表・栗原優太さん(31歳)はこう評する。
「一昨年のオープニング時から働いてくれているんですが、コミュニケーション能力もぐんぐん伸びました。仕事ができる一方で、ときどき無邪気な末っ子気質を覗かせる。とにかく人を惹きつける才能があって、誰もが認めるうちの看板娘です」。
ずいぶん褒められていますよ。
コミュニケーションといえば、ラテアートの腕前も上達した。
クリスマス仕様の自信作。
常連客からも愛されている。
「ちょっと前ですが、おばあちゃんからティーカップに入っているちっちゃい観葉植物をもらいました。成長したから大きい鉢に植え替えて、今は地下の系列店に飾っています」。
「これ、あげるよ」と言って突然くれたそうだ。
ちなみに、地下の系列店とは卓球バーの「ping-pong ba」。卓球を通じて大塚の街と人を繋げるというコンセプトだ。
4卓の卓球台があり、利用料金も安い。
観葉植物の話を聞いて、あらためて店内を見渡すとあちこちに植物が置かれている。
「ガラス張りで日当たりがいいから、植物がよく育つんですよ。あと、場所の“気”もいいみたい。香草類はお料理にも使っています」。
ローズマリー、イタリアンパセリ、オレガノ。
店の中央には、角田えみさんによるクリスマス仕様の作品。
「Tiltflowers」という名義で活動している。
店内を歩くと、厨房に貼られている子供の絵を発見。常連客のお子さんが描いてくれたものだという。こういう計らいもうれしい。
ホール担当の“こーちゃん”が大好き。
ここで、智雅さんが勤務を終えて私服に着替えてきた。何やらキュートなセーターを着ている。
「ラルフローレンのポロベアです。めっちゃかわいくないですか(笑)」。
めっちゃかわいいです。
最後に無邪気な末っ子気質を確認したところでお会計。読者へのメッセージもお願いしますね。
本当に温もりのある店でした。
 
【取材協力】
eight days 大塚
住所:東京都豊島区北大塚2-26-1 ba01 1F
電話番号:03-5980-8873
https://eightdays.owst.jp
「看板娘という名の愉悦」Vol.130
好きな酒を置いている。食事がことごとく美味しい。雰囲気が良くて落ち着く。行きつけの飲み屋を決める理由はさまざま。しかし、なかには店で働く「看板娘」目当てに通い詰めるパターンもある。もともと、当連載は酒を通して人を探求するドキュメンタリー。店主のセンスも色濃く反映される「看板娘」は、探求対象としてピッタリかもしれない。
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石原たきび=取材・文


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