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アストンにセールストークは不要

DBXは既存の車台をベースにするのではなく、ゼロからいっさいの制約なしに「理想のSUV」を造ることができたというのが、まずは大きなポイントだと思います。そして同時に言える美点は、オーナーさまの意向やライフスタイルに応じて「いかようなニュアンスにも仕立てることができる稀有なSUVである」ということです。
例えばスポーツカーをベースにしたようなアグレッシブなイメージが強いラグジュアリーSUVだと、どうしたってエレガンスを出すのは難しい。しかしDBXは、例えばブルーだけでも何十色とあるボディカラーや、レザーやウッドなどインテリアの素材選びによって「スポーティなDBX」にもなりますし、「スーパーエレガントなDBX」にすることも可能です。
乗る人によって仕上がりはさまざま。また車自体の主張が強すぎないというのもDBXの魅力でしょう。同クラスの他社製SUVはあまりに豪華絢爛なため、オーナーさまより車のほうが目立ってしまいがちですが、DBXであれば、「主役はあくまでオーナー」といった構図になります。
DBXの商談をする際は、金額の話はほとんどしませんね。アストンマーティンとお客さまの“世界観”について、楽しくお話しさせていただくだけです。アストンマーティンの洗練された世界観に共感いただける、これまた洗練された世界観をお持ちのお客さまには、いわゆるセールストークは不要なんです。
アストンマーティン 東京セールスマネージャー
鬼頭也寸志
ランボルギーニやマクラーレンなどの輸入スーパースポーツ車の正規販売店立ち上げに数多く携わり、現在は北青山にあるアストンマーティン東京のセールスマネージャーとして活躍中。
 
 

ただの流行りのSUVとは違う

車界で“ブランド力じゃんけん”をやったら、アストンマーティンは最低でも大関、人によっては横綱のランク付けになるはずだ。
1913年創業の老舗は、ただ歴史が古いだけじゃない。損得勘定抜きでレースにカネを突っ込んだことによる栄光と経営危機の歴史など、ドラマ満載なのだ。エリザベス女王がチャールズ皇太子の21歳の誕生日にプレゼントしたのも、ポール・マッカートニーが「Hey Jude」のメロディーを閃いたときに乗っていた車も、アストンマーティン DB6だった。
そんなブリティッシュ・サラブレッドがSUVという流行りモンに手を出すってどうなのよ。で、乗ってみると、名門のSUVはやはり普通のSUVとはひと味違うのだった。
まず、外観はシュッとしていて、インテリアもお上品。走らせればアストンマーティンのスポーツカーそのもの。普通の高性能SUVはSUVに強力なエンジンや豪華な内装を与えて造る。しかし、DBXはラグジュアリーなスーパースポーツにSUVのスタイルと機能を与えているのだ。アプローチの仕方が真逆だ。
DBXを走らせていると、この車はまさに英国の貴族的だと思えてくる。英国貴族は日本の公家とは違って、相手をブチのめして地位を築いたファイターの末裔だ。だから英国の名門大学ではボクシングやラグビーが盛んなのだ。
高貴な佇まいだが、走らせてみれば速くてタフ。DBXはケンブリッジ大学のラグビー選手みたいな車なのだ。
モータージャーナリスト
サトータケシ
フリーランスのライター/エディター。2020年の私的カー・オブ・ザ・イヤーはランドローバー ディフェンダーとマツダCX-30、あとテスラ モデル3とプジョー208の素晴らしさにも驚いた。
 



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