OCEANS

SHARE

2020.12.06

あそぶ

マイボトルの代名詞「SIGG(シグ)」、もちろん持ってますよね?

SIGG
「Camp Gear Note」とは……
使い捨てのペットボトルではなく、何度も使えるエコな水筒を持ち歩くことが私たちの日常風景となって久しい。
今や「マイボトル」なる単語はすっかり世間に浸透した。しかし、いったいいつから、なぜここまで私たちの生活に入り込んできたのだろう。今回紹介する「SIGG(以下シグ)」こそ、この謎を紐解くための鍵を握るブランドだ。
2000年以前、アウトドア好きの間で「シグ」の名は携行燃料用ボトルの代名詞として知られていた。それが今、なぜ飲料用ボトルの代名詞になり得たのだろうか。
ブランドの歴史と製品の魅力に焦点を当て、その理由を掘り起こしてみよう。

最新鋭の素材だったアルミニウムの有用性にいち早く着目

SIGG
豊かな自然環境が、スイス人の高い環境保護意識を生んだとも言えるだろう。
ブランドの歴史は古く、スイスのビエンヌという街で創業したのは1908年のこと。金属加工職人だったファーディナンド・シグが、当時最新鋭の素材だったアルミニウムにいち早く着目し、製品化を始めたことに端を発する。
ちなみに、ビエンヌとはジェラ山脈の裾野に位置する自然豊かな美しい街で、ロレックスやスウォッチ、オメガなど、世界中の名だたる時計ブランドが本部を構える時計産業の中心地としてもその名を知られている。
SIGG
現在は水筒を中心に手掛けているが、50年代当時はあらゆる調理関係器具を生産していた。
創業からわずか1年で、ビジネスはあっという間に軌道に乗った。1950年代になる頃には、フライパンやポットなど、なんと1万品種以上の製品を手掛ける一大企業に成長を遂げている。
当時のシグは家庭用調理器具や食器の製造に忙しく、アルミニウム製品はすっかりカタログの隅に追いやられてしまうような存在だったようだ。
しかし60年代に入ると流れが一変する。ほかの金属よりも加工と再利用がしやすく、環境への負荷が低い素材としてアルミニウムが再び注目を集めるようになったのだ。
SIGG
1917年にフラウエンフェルトへと本社を移転。こちらもビエンヌに負けず劣らず美しい街。
アルミニウムを使った飲料用ボトルを開発すると、これが大ヒット。以来、スイスでは知らぬものはいない国民的水筒ブランドとしての地位を確立した。
スイスでは子供から大人まで、誰もがお気に入りのシグのマイボトルを持っており、学校や仕事、アウトドアやジムから旅行まで、幅広いシーンで日常的に使われているそうだ。


2/4

次の記事を読み込んでいます。