修理をきっかけに再確認した「エア ジョーダン 1」の魅力
これまで修理を手掛けてきたスニーカーのなかで心に残った一足がある。
「少し前に、古い『エア ジョーダン 1』のリペアの依頼を受けたんです。オーナーはプロダンサーで、靴はすでにボロボロ。ですが、言葉にできない風合いを持っていて、修理しながら引き込まれていくような魅力がありました。
実際にダンスで使っていたという“履歴”がそう感じさせたのかもしれません。実際にリペアして、その出来栄えにも納得。とても感慨深い仕事でした」。
それから、自分でも「エア ジョーダン 1」を履いてみたいという気持ちが湧いた廣瀬さんは、修理することを前提にオールドジョーダンを数足ストックした。
「実はスニーカーを頻繁に履くようになったのは最近なんです。シンプルなデザインのローテクが基本で、ナイキなら『コルテッツ』ばかり(笑)。
プロダクトとしては凄く好きだけど、自分では履かないかなと思うモデルもたくさんあって『エア ジョーダン 1』もソレでした。ただ、改めて手に取ると、木型もきれいだし、やっぱり特別だと感じて」。
仕事を通じて出合い、中身を知って気付いた「エア ジョーダン 1」の魅力とは?
「“シカゴ”がわかりやすい例ですが、配色だけで“ジョーダン 1”だとわかる。ここまで認知されている靴は稀だと思うし、万国共通のコミュニケーションツールとして親しまれている感じがしますね」。
多くの人が特別な感情を抱く愛すべきデザインは、廣瀬さんの心にも訴えかけるものがあるようだ。
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