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デニム感覚でリペアするオールドスニーカー

古いスニーカーは、外見がきれいだとしても、ソールや内部の劣化が激しいことがざら。実際に履けるかどうかは、蓋を開けてみなければわからない。
アウトソールを剥がした状態。内部の劣化したスポンジを取り除く前。
「たとえばヴィンテージの『エア ジョーダン 1』なら、解体しなければならないケースがほとんどで、“これならイチから作ったほうが早いのでは?”と思うことさえあります(笑)」。
廣瀬さんの店なら、写真程度の状態だとざっくり6万円くらいだとか。
ソールを剥がしたあと、粉々に砕けているスポンジを丁寧に取り除く。
「塗装に関しては好みが分かれるところです。再塗装すればきれいにはなるんですが、それが不自然に見えて、全体のバランスが崩れてしまうことも。
これからリペアに着手する僕のスニーカーは、普段履きできる状態まで機能を回復させつつ、それこそヴィンテージデニムの修復のように、なるべく元の状態に近づける方向で仕上げる予定です」。
かなり激しく塗装が剥げている状態だが、ここから手直しを加えることも可能。
相当なダメージを抱えていることは明らかだが、廣瀬さんの手腕でスニーカーはどのような姿に蘇るのか。
取材から数日後、生まれ変わった「エア ジョーダン 1」の写真が廣瀬さんから届いた。


張り替えたソールは黄ばんでいて、やれたアッパーと自然に調和している。まさにダメージデニムのような魅力を放っている。
ダメージをも魅力へと変換する、「エア ジョーダン 1」のプロダクトとしての力。そんな側面からも、スニーカー界において“ジョーダン”が唯一無二の存在だと気付かされるのだ。
 
What’s AIR JORDAN●オークションではマイケル・ジョーダン本人が着用していた「エア ジョーダン 1」が61万5000ドル(約6600万円)で落札。彼が現役引退してからも派生モデルは増殖し、比例するように熱狂的マニアも後を断たず。エア ジョーダンって一体、なんなんだ?上に戻る
鳥居健次郎=写真 戸叶庸之=編集・文


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