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看板娘、登場

「お待たせしました〜」。
こちらは、オープニングスタッフとして働いている、まりあさん(22歳)。南部杜氏の里として知られる岩手県産の銘酒、「あさ開」を熱々の状態で運んできてくれた。
フードメニューもじつに魅力的である。
せっかくなので、11月中旬までの期間限定だという「遠野フェア」に乗っかろう。
注文したのは「遠野生ソーセージ4種盛り」(1980円)、「遠野パドロンの素揚げ」(660円)、「遠野わさびコロッケ」(330円)の3品。
端的に言って最高でした。
生ソーセージは一切ボイルしていない状態でグリルしたもの。肉の旨味が凝縮されていた。ししとうのような見た目のパドロンの素揚げは、スペインではビールのつまみの定番なんだとか。わさびコロッケも上品な辛味がピリリと効いている。
さらに、驚いたのはコップも皿もすべて紙製だったこと。環境に配慮したいが、キャンプなどで使われる紙製の器では雰囲気が出ないーー。そこで採用したのが、台東区のWASARAというメーカーが作っている器だ。
ワンランク上のアウトドアシーンに最適である。
さて、お待たせしました。まりあさんは練馬区の中村橋で育ち、小学校入学を機に父の実家がある中野区野方に引っ越してきた。
「大人しくて引っ込み思案で、人前で喋るのも嫌いな子供だったみたいです。家だとおちゃらけるんですけど(笑)」。
5歳ぐらいのとき、家から近かったとしまえんで撮った写真を見せてくれた。
髪型は『おジャ魔女どれみ』のおんぷちゃんを真似たもの。
「父は野方にあった『ポパイ』という八百屋さんの息子でした。商店街でけっこう目立つ店で繁盛していたんです。お祖父ちゃんが体調を崩したあとは父の弟が継ぎましたが、まあそろそろ一回区切りをということで閉めることになったみたいです」。
安くて野菜の種類も多いため、地元の人で賑わっていた。
住民から惜しまれつつも閉店した「ポパイ」。
まりあさんは小学校4年生から演劇に没頭する。同じクラスに子役としてCMやドラマに出ている女子がおり、先生に「お仕事があるので明日は学校を休みます」などと告げる姿が格好良く見えたという。
「少女コミック誌の『ちゃお』に児童劇団員募集の広告があって、親に頼んで入れてもらったんです。それまで、水泳、絵画、そろばんなどを習っていましたが、初めて自分から『やりたい』と思ったのが児童劇団です」。
もともとはクラスメイトに憧れて始めた演劇だが、徐々に芝居の楽しさにのめり込む。引っ込み思案の性格から一転、人前に出るのが好きになっていった。
10歳の時、『二十四の瞳』で舞台デビュー。
中学校に演劇部はなかったため、まりあさんは吹奏楽部に入部する。
「担当はトランペットです。AKBの全盛期でいろんな曲を演奏しました。最終的には副部長として部員をまとめる役になります。女子が多いので、けっこうゴタゴタが多くて大変でした」(笑)。
中学1年の体育祭にて。
高校は舞台表現科がある学校を選ぶ。受験の倍率は高く、現地で合格発表を見たときは父母と抱き合って泣いた。
なお、初めてのアルバイトはかわいい制服に憧れて働いたメイド喫茶。母親に恐る恐る「メイド喫茶でバイトしたい」と言ったところ、「面白そうだからいいんじゃない?」という答えが返ってきた。
高校2年の文化祭では自前のメイド服を着た。


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