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トヨタのSUV(スポーツ多目的車)の1つである「ランドクルーザープラド」が、今年8月にマイナーチェンジを行い、ディーゼルエンジンの出力向上(177PSから204PS)と、安全装備「Toyota Safety Sense」の機能の充実を行った。ほかに、特別仕様車「TX“Lパッケージ ブラックエディション”」も設定している。
現在のプラドは、2009年にフルモデルチェンジンジをした4代目で、今年で発売から11年目となる。一般的に国内の乗用車の多くが5年前後でフルモデルチェンジを行うのと比べると、モデルライフは長い。この間、2013年と2015年にも大きなマイナーチェンジを実施しており、今年のマイナーチェンジで3回目となる。
実は、プラドより大柄の「ランドクルーザー」も、2007年に現在の「200系」が登場して依頼、フルモデルチェンジをしていない。
ちなみに、アメリカのジープ「ラングラー」もフルモデルチェンジはほぼ10年ごとで、ドイツのメルセデス・ベンツ「Gクラス」は、2018年にフルモデルチェンジをするまで、28年間もモデルチェンジせず改良を続けてきた。
また、イギリスのランドローバー「ディフェンダー」は、2016年に先代モデルの生産終了ののち、今年フルモデルチェンジをして再出発を図ったが、実に30年を経ての新型登場であった。
本格派4WDのモデルライフが長い理由
このように、SUVとはいっても、今日人気を高めている乗用車を基にした車種ではなく、悪路走破を目的に開発された「クロスカントリー4WD」と呼ばれる車は、フルモデルチェンジの間隔が長い傾向にある。
第一の理由は、流行に乗って一気に多く売れる車種ではなく、未舗装路であったり未開の地に分け入るような場所で移動したりするための車種であることだ。
また、そのような場所では、最寄りに修理工場があるとは限らず、乗員自ら整備や修理をしながら使うことも視野に入れる必要がある。先進的な最新技術を次々に採り入れるフルモデルチェンジを頻繁に行ってしまうと、故障を簡単に直せなくなってしまう事情もあるのだ。
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