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ある意味で、永年使い慣れてきた古い技術で作られていたほうが、修理もしやすくなる。なおかつ電子制御が多用されていなければ、純正部品でなくても代替の機械部品で動かせる可能性もあり、そのほうが安心できる場合もある。
近年の新車は、電子診断装置を利用して故障箇所を見つけ、部品交換で修理するのが一般整備の主流となっている。しかし、そうした診断装置がなくても、直して移動できることが優先されるのだ。故障したままその場を動けなくなってしまうとなれば、命に関わるような地域でも、安心して乗れる車でなければならない。
とはいっても、インジェクター(燃料噴射装置)をはじめ、現代の車で電子制御化された装置を使わないわけにはいかないので、電子部品もより耐久性が高く、なおかつ比較的汎用でどこでも手に入りやすい部品を使うことにより、修理しやすさという補償を高めていく必要があるのも事実だ。

開発のためダカールラリーに参戦

慎重に最新技術を採り入れながら未舗装路や未開の地の移動に適応できるクロスカントリー4WDを開発するため、トヨタの完全子会社でランドクルーザーの生産を行っているトヨタ車体というメーカーでは、1995年からランドクルーザーでパリ~ダカールラリー(現在はダカールラリー)に、量産市販車で参戦している。
2020年のダカールラリーに参戦するランドクルーザー(写真:トヨタ自動車)
ダカールラリーは、当初はパリを出発し、アフリカ大陸の西海岸に位置するセネガルのダカールをゴールとした競技で、道なきアフリカ大陸を走破する冒険ラリーとして始まった。続いて開催地を南米へ移し、現在はサウジアラビアでの開催となっている。
いずれにしても、地図を頼りに道なき荒野を駆け抜ける競技であり、チームの整備員がいる場所まではドライバーとナビゲーターとが自力で走り遂げなければならない。この競技で、ランドクルーザーは常に上位でゴールし、量産市販車部門で7連覇中だ。
またトヨタは、2014年からTOYOTA GAZOO Racingの一環として、「5大陸走破プロジェクト」に取り組んでいる。


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