「車のトリセツ」とは……レースから始まったアルファ ロメオ
今から110年前、1910年にロンバルディア自動車製造株式会社(Anonima Lombarda Fabbrica Automobili)がミラノで設立された。その頭文字を取って「A.L.F.A」(アルファ)と呼ばれた会社が、現在のアルファ ロメオの始まりだ。
最初に手掛けた車「24HP」はコルサバージョン(レース仕様車)が数々のレースで好成績を収め、スポーツカーメーカーとして着実に歩みを重ねていく。
その後経営権を握ったニコラ・ロメオは実業家だったが、エンジニアの経験がある自動車に精通した人物でもあり、レースでの勝利がブランドの強化につながることも理解していた。
その結果生まれたのが「RL」。「RL」のコルサバージョンはあらゆるレースで活躍し、アルファ ロメオの名声をさらに高めることになる。
実はF1グランプリ初代王者
その後、世界恐慌や第二次世界大戦に翻弄されながら戦後最初に送り出したのが、戦前の高級スポーツカー「6C」に改良を加えた「6C 2500」だ。
同車は“走るアート”“世界で最も優美な車”などと賞賛された。
1950年には、初開催されたF1グランプリに参戦。「158 アルフェッタ」は、出場した11のレースすべてで勝利をあげ、その翌年もシリーズ優勝を果たすなど、レース界での名声を確固たるものとしていく。
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