50年越しに、寅さんのセイコーとの再会
シリーズの初期作で寅さんが身に着け、2人を魅了した寅さんの「セイコー1965メカニカルダイバーズ」が、なんとこの冬復刻する。
セイコー プロスペックスと『男はつらいよ』がビームス ジャパンとのコラボレーションにより初の別注モデルとしてリリースされるのだ。限定300本、11月20日(金)に発売されるその時計は既に先行予約がスタートしている。
広田 寅さんの時計が復刻、これは大ニュースですね。
安藤 はい。セイコー プロスペックスと松竹、そしてビームス ジャパンの3者の本気になりましたね。
安藤 ただ今回は文字盤が黒。寅さんが着用した初代セイコーダイバーズはチャコールグレーなのですが、これについては広田さんはどう思われますか?
広田 これまでの復刻で黒というのはなかったので、個人的にはアリだと思います。オリジナルがリリースされた当時の広告を見たことがあるんですが、「男らしさを演出したい人もどうぞ!」そんなキャッチコピーが使われていました。
つまり、海に潜る人のためだけではなく、あくまで装飾品としてのダイバーズウォッチだったのではないでしょうか。
安藤 確かに道具としてのダイバーズウォッチなら黒文字盤のほうがむしろ王道ですよね。視認性も高いし。
チャコールグレーは品が良いし、街でつかうには申し分ないけれど、ダイバーズウォッチとしてはむしろ珍しい存在。黒だとマッシブでキリッと精悍に見えるから、個人的にはけっこう好みです。
去年にもビームスと松竹で取り組んでさまざまな寅さんアイテムをリリースし、その中に時計もありましたが、松竹側はそれがとても楽しかったようです。今回も山田洋次監督自ら、車寅次郎のセリフを考えてくれたそうですから。
広田 「おれがつけているからってニセモノじゃないよ」。なるほど、いかにも寅さんが言いそうなセリフです。
安藤 こうしたコラボって、いかにも企画モノっぽくなってしまうケースが少なくない。実物を見て夢から覚めるというか、興冷めするというか。でも、今回は本気度が違う。
広田 はい。だから、当然出来栄えも違う。
安藤 細部までよく作り込んでます。
広田 休日はいい加減でだらしない格好をしているのに、この時計を着けるだけでちゃんとして見える効果がありますよね。心当たりのあるオーシャンズ読者にもぜひおすすめしたいです(笑)。
安藤 あと、僕は寅さんが首から下げている、柴又帝釈天のお守りを復刻してくれたら言うことないんだけどなぁ。
広田 寅さんがしていたものと同じお守りはもう売っていないそうですからね。
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