登場時から進化し続ける悪路走破性
2014年10月に登場した「ディスカバリー・スポーツ」は、当初から、ステレオカメラによる衝突被害軽減ブレーキなど先進安全機能も装備し、駆動方式は走行状況に応じて前後の駆動配分を変えるフルタイム4WD。
同社独自の悪路走破技術・テレインレスポンスを備え、「オンロード」「草地/砂利/雪」「泥地/わだち」「砂地」の4モードから任意に選べた。
さらにオプションでオンロードを快走する際にピッタリな「ダイナミックモード」も用意され、急斜面を進むためのヒルディセントコントロールなど、“ディスカバリー”らしい悪路走破性も備えているのは言うまでもない。
2017年モデルではタッチ式ディスプレイが備えられたほか、泥濘地などでアクセル操作を車に任せることでステアリング操作に集中できる機能などを用意。
2018年モデルで2Lガソリンターボが新世代に切り替えられ、新たに2Lディーゼルターボも加えられた。
スマホのアプリでドアの施錠・解錠やエアコンの操作ができるようになった(オプション)のもこのときからだ。
新プラットフォーム採用でさらなる進化!
そして、昨年発表された2020年モデルでは、さらに大きく進化を遂げる。最大の進化は、新世代プラットフォームを採用したこと。
通常、プラットフォームまで変更するとフルモデルチェンジとすることがほとんどだが、同社は年次改良のひとつとしている。
電動化も見据えた新世代プラットフォームを手に入れたことで、静粛性は向上し、ボディ剛性が高まり、その結果乗り心地は大きく改善された。エンジン搭載位置も低くなったので低重心となり、その分走行性能も高くなった。
エンジンラインナップは最高出力200ps/最大トルク320Nmと同249ps/365Nmという2つの2Lガソリンターボと、同180ps/430Nmの2Lディーゼルターボの計3種類のエンジンに改められた。
悪路走破性ではテレインレスポンスがテレインレスポンス2へと進化し、「コンフォート」「エコ」「砂地」「草/砂利/雪」「泥/わだち」の5つのモードから選択できるように。さらに本来見えないはずのボンネット下の道路状況を、カメラ画像でディスプレイに映し出す技術も備わった。
この新世代プラットフォームは“電動化を見据えた新型プラットフォーム”ゆえ、本国イギリスでは早速今年4月に、「ディスカバリースポーツ」のPHEVモデルが追加された。いずれ日本にも導入されるだろう。
ということで、SUV好きはぜひ検討を!
こうして進化を遂げた「ディスカバリースポーツ」。PHEVモデルを待つのもいいが、フルモデルチェンジ級に改良された現行モデルは、乗り心地もハンドリングも向上し、悪路走破性も高い。しかも、このクラスの中では抜群の4WD性能を持ち、しかも7人乗れる貴重なモデルだ。
SUV好きに勧めるには十分すぎるスペックを持つ。というか、むしろ今のうちに、もしかしたらもう手に入らなくなるかもしれないディーゼルやガソリン車を楽しむというのも、アリなんじゃないかな。
「味わい深い、熟成車」とは……ひとつの車種でも、マイナーチェンジはもちろん、実は毎年のように小さな改良が施されている車は多い。ひとつのモデルの後期ともなるとその“熟成”はかなり進んで、ワインのよう深い味わいに。そんな通の間では人気の「後期モデル」は、我々にも当然、美味しい車なのだ。
上に戻る 籠島康弘=文