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2020.10.05

ロールス・ロイスの歴史を知ればわかる、“究極の贅沢”である理由

「車のトリセツ」とは……

始まりはロールスとロイスのランチミーティング

イギリス、マンチェスターの老舗ホテル「ザ・ミッドランド・マンチェスター」の入り口には、1枚のプレートが掲げられている。記されている言葉の和訳は、こうだ。
「1904年5月4日、チャールズ・スチュワート・ロールスとフレデリック・ヘンリー・ロイスはこのホテルで顔合わせを行った。そのミーティングは、ロールス・ロイスの形成へとつながった」
写真は創業年の1904年製「10HP」。当時はボディを製作するコーチビルダーによってさまざまなカタチが作られた。
チャールズ・スチュアート・ロールスは、貴族の出身のレーサーであり、自動車の輸入販売も行っていた。
一方のフレデリック・ヘンリー・ロイスは、電気技術者だった。購入した自動車に満足できず、自ら自動車製造に乗り出す。開発した車は「10HP」。ロールスは、この車のテストドライバーを務めたひとりだ。
フランス車を輸入販売していたロールスは、優秀な国産(イギリス)車を販売したいと思っていた。彼はロイスの開発した「10HP」が非常に優秀だと気づき、冒頭のザ・ミッドランド・マンチェスターでロイスとのランチをセッティング。
ロイスが製造するすべての車をロールスの会社で独占販売する契約を打診する。ロイスの答えは、もちろんイエスだった。


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