物事への認識は、ソフトウェアのように定期的なアップデートが必要だ。それはファッションにおいても例外ではなく、ブランドに対する認識も常に更新がマスト。
例えば、スペイン・マヨルカ島生まれのシューズ&バッグブランド、カンペール。1975年創業の老舗である彼らに、スタイリストの山田陵太さんが抱くイメージもそうだ。
「先輩たちが履いていたのは覚えているんですけど、そこで時が止まっていて……履き心地の良い革の靴って印象はありますね」。
これがカンペールに対する山田さんの最初のイメージ。しかしそれは、ショップを訪問して早々に崩れることになる。
「こんなにモデルがあるとは驚きです」
レザーシューズをはじめ、スニーカーやブーツなどたくさんのモデルが並ぶ店内を目にし、早速山田さんは興味を惹かれた模様。「これ、気になる」と手に取ったのは、レザー素材のスニーカー[ランナー フォー]だ。
「グレーのアッパーとレンガ色のソールっていう色の合わせ方が独特。ソールにぐるっと入ったステッチなんて、いい意味で“ヘタウマ”というか、クラフト感がありますよね」。
独特のデザインや色使いに意外性を感じつつ、続いて手を伸ばしたのはオリーブカラーの[ピクス]。カンペールで近年人気を集めるモデルのひとつである。
「レザーのアッパーにぶ厚いラバーソールだから重いかな、と思ったらめちゃくちゃ軽い!」。
山田さんにそう言わしめた[ピクス]は、軽量で柔軟性に優れたラバーの3Dアウトソールが、安定感のある履き心地を実現。ハイテクスニーカーのようにアクティブに履けるのが魅力だ。
「“ベタ”なデザインになるのを避けているというか、どれも普通とは違う。こんなにモデルがあるとは正直驚きました。茶色い革靴って印象は、完全に覆りましたね(笑)」。
彼のカンペールに対するイメージはこのあと、さらに大きな変革を遂げる。
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