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2020.09.22

車のカタチをした現代への問題提起!? 未来のための「ホンダe」に今乗り込む意味

ホンダ初の電気自動車として、10月30日(金)から発売予定の「ホンダe」。
前回、その性能や特徴に関して紹介したが、今回お届けするのは、「『ホンダe』はなぜ市販車として発売されたのか?」。

ただの“電気で走る車”ではなく、ましてや“儲かる車”でも全くないが、これを市販車として発売する必要があったという開発の想いを聞いてきた。

 

ホンダの役割ってなんだ? まで遡ったコンセプト

“誰でも購入できるコンセプトカー”である「ホンダe」が表現するのは、2030年の未来だ。
だから開発主査の一瀬智史さんをはじめとした開発スタッフたちは、では2030年ってどんな未来が来ていて欲しい?という模索からまずは取りかかった。
「ホンダe」開発主査の一瀬智史さん。
「まだ形になっていない段階から、目指すべき電気自動車の形を多くのスタッフと喧々諤々さまざまなディスカッションをしましたが、結局のところ未来を予測するのは不可能で、“未来を予測したいのなら未来を作っていくことだ”、という言葉を思い出して、まさにそうだなと。我々ホンダの役割は、モビリティの未来を作ることなんだと、考え直しました」と一瀬さん。
一瀬さんが思い出したのは、アラン・ケイの「未来を予測する最善の方法は、自らそれを創り出すことである」という言葉だろう。アラン・ケイとは、パーソナルコンピュータの父と呼ばれる人物で、スティーブ・ジョブスやビル・ゲイツにも多大な影響を与えたことで知られている。
ともかく一瀬さんたちは「どんな未来が来るか」ではなく「どんな未来にしたいか」を徹底的に議論し、自分たちが実現したい未来像を「ホンダe」というカタチに表現した。

そのうちのひとつが車と人、街、ネット、家……さまざまなモノが有機的に繋がっていく世界だ。こうしたシームレスな未来を作る乗りものが「ホンダe」だ、という想いを込めて、「ホンダe」の開発コンセプトを“シームレスライフクリエーター”とした。
だから車内のワイドモニターでゲームをしたり、映画が見れるようにした。車のWi-Fiに接続すれば車内でバリバリ仕事もできる。インテリアはモダンな家のリビングのようだ。
木の導管まで再現した木目調パネル。
ダウンライトのような車内照明。
暑い日は家の中からスマホで車のエアコンを操作して、車内を冷やしてから乗り込める。
V2G(車に貯めた電気を地域の電力供給網に流し、地域電力の安定化や余剰電力の活用に寄与できる仕組み。)で社会インフラとも接続可能なように設計されている。車と自宅、車と職場、車と地域とのシームレスな関係。


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