英国を代表するファッションブランド「ポール・スミス」は今年、ブランドを設立して50周年を迎える。メモリアルを記念して、アーカイブプリントから再編したカプセルコレクションを10月21日(水)よりメンズ・ウィメンズで発売する。
伝統的な英国スタイルに遊び心を取り入れた“クラシカルモダン”が魅力のポール・スミス。ブランドの歴史は1970年、自身の故郷である英国ノッティンガムに小さなショップをオープンしたのがはじまりだ。
以来、その独創的なスピリットで唯一無二のブランド価値を構築。2000年にはその功績が讃えられエリザベス女王より「サー」の勲位を受けている。
そんなポール・スミスの歴史に思いを巡らせつつ、アーカイブより生まれ変わったカプセルコレクションのラインナップを見てみよう。
1988年の春夏コレクションで発表された「シードパケット」。その名の通り、ロンドンの老舗園芸店で購入した植物の種のパッケージよりインスピレーションを受けたという。さすがはガーデニング大国、実に英国人らしい着眼点である。とはいえ、当時はメンズ仕様でヴィヴィットな花柄となると、なかなか斬新だったに違いない。今でも十二分に個性を発揮するプリントだ。
1990年春夏コレクションで発表し、数年前にも赤いリンゴ柄で登場したことのある「アップル」。90年当時、“less is more(より少ないことは、より豊かなこと)”という引き算の美学に関心の高かったポールは、ここでもシンプルでミニマルなデザインを表現。
大振りな青リンゴには、“エキセントリックだけど馬鹿げてはいない”という、そんなドライなユーモアが含まれているのだろうか。
1980年代のポール来日時、東京で見かけた食品サンプルが、サルバドール・ダリのシュルレアリスムの作品に見えたというポール。その「スパゲティ」は1994年の秋冬コレクションで登場した。「インスピレーションの源はどこにでもある」という彼の言葉を具現化したような、本カプセルコレクションのキープリントだ。
カプセルコレクションには、ほかにもウィメンズアイテムやアーカイブモデルをアップデートしたメンズ時計「アーカイヴス」も含まれている。
ミッドセンチュリーの色使いから影響を受けたアンティーク調の時計は1970年にデザインしたブランド最初のロゴが裏蓋に刻印されているという。
さらにブランドを代表するストライプ柄が装丁の書籍も登場。その名も『ポール・スミス』。最初のパリコレやロンドンでのフローラル・ストリート ショップ、ストライプの進化や最新コレクションなど、50のモノを通してポール・スミスの歴史に触れられる書となっている。日本語版は11月に発売予定だ。
50周年という節目に打ち出されるカプセルコレクションは、公式オンラインショップ、ポール・スミスの各店舗に加え、一部主要百貨店でのイベントスペースにて展開していく。
半世紀を経ても衰えることのない、デザイナー、サー・ポール・スミスの功績に拍手を送りながら、彼のクリエイションに今後も期待したい。
[問い合わせ]ポール・スミス リミテッド03-3478-5600
www.paulsmith.co.jp