■エテルナ チェコスロバキア空軍 ラージクッションケース
1940年代のチェコスロバキア空軍が採用していた通称“ラージクッションケース”。
ロンジン、レマニア、エテルナの3社が納入していたことからいくつかのバリエーションがあり、その中から自分好みのテイストを探すことができる。
エボーシュメーカーとして1851年に創業したエテルナは、1938年に世界初の自動巻き式腕時計の発表、1948年の画期的なベアリングシステムを搭載した自動巻きムーブメント「エテルナマティック」の開発などで一世を風靡した名門ブランド。
エテルナ製のラージクッションケースは、スモールセコンドとセンターセコンドの2種類がある。
どちらも1940年代の時計だが、とりわけセンターセコンドのモデルは洗練されたデザインゆえ、古びない佇まいに見える。
38mm径の薄型ケースであることも注目すべきポイントに挙がる。
ちなみに民生用もあるが、軍用のほうが人気が高い。マーキングはいくつかのパターンがあり、ラグに刻まれたチェコスロバキア空軍の象徴である「クロスソード」のマークは、軍用モデルであることを示す。
腕時計の発展に大きく貢献したと言われるミリタリーウォッチの文化は、知れば知るほど奥深い。
知識や経験を得る度に目の前の景色が変わり、時計の楽しさや所有する喜びが深まることは請け合いだ。
[取材協力]キュリオスキュリオ住所:東京都港区南青山4-26-7 +8ビル 302電話:03-6712-6933営業:15:00~20:00 月・火曜定休https://curious-curio.jp「ミリタリーウォッチ ブートキャンプ」とは……軍用を出自とするミリタリーウォッチは、国や時代、用途などによって驚くほど奥が深い。そんな一朝一夕には語れない世界に飛び込む“新兵”へ向けた短期集中訓練(ブートキャンプ)。
上に戻る ※本文中における素材の略称:SS=ステンレススチール
戸叶庸之=編集・文