海外では当たり前にあるアペリティフという習慣。
それは、大げさではなく、人生を豊かにする時間。日々の時間の使い方が変化している今こそ、日本でも取り入れるチャンスだ。
[左]平野 佳さんマーケティングスペシャリストとして「ライフスタイル」に関わるプロジェクトを軸にキャリアを築く。仕事柄、世界各国の食文化にも精通しており、オーシャンズ本誌人気連載「日本“食”記」も執筆。
[右]「LIFE」オーナーシェフ 相場正一郎さん(45歳)イタリア・フィレンツェで修業したのち、東京・代々木八幡にイタリアンレストラン「LIFE」を、’12年には姉妹店「LIFE son」をオープンさせる。都市と郊外を行き来するデュアルライフ実践者。
アペリティフとは、本来食前酒のことです。けれど単に酒を飲むことではなく、ディナー前のひととき、5時から8時くらいの間に、友人や家族と会話を楽しみながら、軽い酒とつまみで過ごす気持ちの良い時間です。
レストランでの人との待ち合わせなどでは、ウェイティング・バーでカクテルやワインを一杯やっている間に、「やあ、待たせたかな」などと言いながら入ってくる友人と乾杯する……食事テーブルへ向かう前の楽しみです。
この食前の時間が独立し、アペリティフとして楽しまれています。イタリアでは、最近のアペリティーヴォ(イタリア語でアペリティフの意味)は生ハムやチーズ、サンドイッチなどおつまみ類が食べ放題という有り難いサービスが定着してきているようで、今晩はディナーはなし! などということもあるとか。
今回対談に登場いただく、相場正一郎さんは、心地良い時間が流れるイタリアン・レストラン「LIFE」のオーナーシェフとして、数々の本も出し、東京での仕事と、栃木県・那須でのプライベートライフの素晴らしいバランスを実践中。
イタリアのフィレンツェで料理人として修業、帰国後すぐにイタリアンレストランのシェフをまかされ、2003年からスタートした自身のレストラン「LIFE」も、はや17年。那須の「山の家」での週末生活は、まさに多くの人たちの憧れです。
平野 佳さんは、海外の企業やアーティストと日本をつなぐビジネスに永年関わり、世界各国の文化に触れてきました。現在はイタリア食文化を背負うデザインプロダクトブランド、アレッシィの日本でのブランドマネージャーとして、またさまざまな食道具にも関わっています。
リモートワークをきっかけに、日本でも夕方からアペリティフを楽しむことができるようになるかもしれません。そこでアペリティフ対談スタート!
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