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1.まずは知っておきたい「アメリカ軍」のマーキング

始めにアメリカ軍のマーキングを例に挙げてみよう。ざっくり2つの傾向に分けると、ひとつはミルスペックや契約番号などが記載されているもの、もう一方はシンプルに記号だけが表記されているものとなる。
年代によって表記のテイストが異なる点も面白い。
■ロンジン アメリカ陸軍航空隊 タイプA-11
 1940年支給、ブラスケース(クロムメッキ)、31mm径、手巻き。30万円前後(実勢価格)/キュリオスキュリオ 03-6712-6933
こちらのロンジンの時計は、第二次世界大戦でアメリカ陸軍航空隊(U.S.Army Air Corps)に支給された「タイプA-11」の最初期のモデルだ。

裏蓋の全面に記されたマーキングは独特の雰囲気。ホワイトダイヤルは大変稀少で、1942年まで生産されたと言われている。手書きでのマーキングはこの時代ならではの味わいが感じられる。
 
■エルジン アメリカ陸軍 ホワイトダイアル OF
1940年代、メッキ×SSケース、31mm径、手巻き。8万円前後(実勢価格)/キュリオスキュリオ 03-6712-6933
前述の「タイプA-11」と同時代のエルジンの軍用時計。テイストやクオリティ、マーキングなど、細かな部分での仕様が異なる。

量産用の時計であったためか、マーキングは必要最低限の情報で収まっている。このモデルは一般兵に支給された時計で「OF」は防水時計を示す。
 
■ウォルサム アメリカ空軍 タイプA-17 MIL-W-6433
1950年代、SSケース、31.5mm径、手巻き。9万円前後(実勢価格)/キュリオスキュリオ 03-6712-6933
第二次世界大戦後に登場した「タイプA-17」は、「タイプA-11」の後続機にあたるパイロットウォッチだ。
この頃になるとアメリカ軍のマーキングはほぼ完成され、「ミルスペック」が表示されるようになる。

手書きの時代と比べるとマーキングの可読性は飛躍的に向上している。
マーキングの情報は、時計のモデル名、ミルスペック番号、時計製造社パーツ番号、時計製造社番号、軍契約番号、時計製造社名、アメリカ合衆国官有品などが記されている。


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