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柴田 ひと目惚れみたいなものですね。僕なんかはついウンチクにいっちゃうんですけど(笑)。
大坪 それもピカピカではなく、デニムのように馴染んでいく感じが好きですね。そして使い倒す。今乗っている58年式の英車バックラーDD2も国内には1台しかないんですが、飾っておくのではなく普段使いする。ただ屋根がないので、走るのは天気のいい日だけですけどね。
柴田 クルマと違って、時計だったら故障しても命にかかわるようなことはないですから(笑)。
大坪 むしろ時間を見るだけならスマートフォンでもいいし、僕が時計に求めるのは機能よりもスタイルであり、ストラップの色を変えたりして楽しんでいます。
GRAND SEIKO グランドセイコー/エレガンスコレクション 初代グランドセイコー デザイン復刻モデル
K18YGケース、38mm径、手巻き。280万円/グランドセイコー 0120-302-617
忠実に再現したルックスに最高峰の国産技術
GRAND SEIKO
グランドセイコー/エレガンスコレクション 初代グランドセイコー デザイン復刻モデル
グランドセイコー誕生60周年を迎え、初代モデルを先進技術で現代に甦らせた。当時はスイスクロノメーター規格と同等の精度を実現し、その矜持をダイヤルに記した。本作はその精神を受け継ぎ、72時間のパワーリザーブに、クロノメーターを凌ぐ精度を備えた手巻き式ムーブメント9S64を搭載。デザインは初代のプロポーションを可能な限り再現する。
柴田 僕も季節やファッションに合わせてストラップをよく交換しますね。ヴィンテージも稀少価値だけではなく、カスタマイズして楽しまないともったいない。
大坪 ヴィンテージの魅力は縁だとも思います。長い歳月を経て今自分の手元にある。そう感じるからこそ、自分は預かっているだけなのであり、次の世代に渡していかないといけない。カストディアンという“保管者”を意味する英単語がありますが、自分もまさにそうありたいと思います。
柴田 モノにはそれぞれが歩んできた物語があり、自分もその中の登場人物のひとりにすぎないというわけですね。
大坪 だからいかに価値ある逸品でも本当に自分が好きでなければ所有の喜びはありません。
柴田 大切なのは、自分の気持ちをどれだけ投影できるか。そしてのめり込めるか。
フランス人デザイナー、セルジュ・マンゾンが’70年代に手掛けたロンジンのもの。
フランス人デザイナー、セルジュ・マンゾンが’70年代に手掛けたロンジンのもの。シルバーのケースに正方形と長方形、馬蹄形などのバリエーションを揃え、洒落者に人気を呼んだ。


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