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「e-tronスポーツバック」が口火を切るアウディのEV攻勢

日本仕様についてはまだ詳細は発表されていないが、本国発表の資料によれば「e-tronスポーツバック」のサイズは「e-tron」と同じ。写真を見ても、すぐにSUVとは分からないほど、4ドアクーペ風の流麗なスタイル。一方インテリアはスイッチやツマミのような突起物がなく、すべてフラットな液晶パネルで操作するなど、超未来的。
ボディの前後に1機ずつ電気モーターを搭載し、通常はリアモーターで後輪のみ駆動。滑りやすい路面や車両コントロールが必要なとき、あるいは加速時など路面や走行状況に応じて瞬時にフロントモーターが前輪を駆動させて4WDとなる。
そのあたりは長年クワトロで4輪制御を研究し続けている同社ならではの技術といえそうだ。
55クワトロのグレードの最高出力は265kW(約360ps)、最大トルクは561Nm。50クワトロは230kW(約313ps)と540Nm。
55クワトロの0-100km/h加速は6.6秒と巨艦をラクラクと加速させる。さらに55クワトロはシフトレバーをSに入れてアクセルを床まで踏み込むと300kW(約408ps)/664Nmを発揮する“ブーストモード”が起動。0-100km/h加速が5.7秒にまで縮む。
満充電で55クワトロは446km、50クワトロは347km走行が可能だ(いずれもWLTCモード)。
ラゲージ容量は通常で615L(トランク下の60Lも含む)、後席を倒すと1665Lまで拡大できる。
リチウムイオンバッテリーはフロア下の中央部に寄せられ、低重心化と前後重量配分をほぼ50:50としたことで、車体が安定しスポーティな走行性能を可能にしている。
同社の他モデル同様、走行性能や乗り心地を可変するアウディドライブセレクトも装備。また速度が上がるにつれ車高が自動で下がり、空気抵抗を低減し、航続距離を延ばす機能も備わる。
充電は家庭用200V充電器のほか、日本のCHAdeMO規格の急速充電にも対応。「e-tronスポーツバック」の購入者には、急速を含む公共充電器を利用する際に必要な充電カードが提供され、1年目のみ月会費5000円が無料になる。
空気抵抗を極力抑えるため、サイドミラーは小型カメラの映像を映すデジタルミラーが用意されている。
「e-tronスポーツバック」のあとには、日本未発売だった「e-tron」も続く予定。さらに電気自動車のスポーツカー「e-tron GT」や「e-tron」の高性能版となるSモデル、e-tronよりコンパクトな電気SUVの「Q4 e-tron」/「Q4 e-tronスポーツバック」も2020年〜2021年に生産を開始するとしている。
ポルシェやトヨタよりも早くル・マンで電動マシンを投入し、フォーミュラEにも参戦中のアウディ。「e-tronスポーツバック」から国内でも始まりそうなアウディの怒濤の電気自動車攻勢は、車選びをまた面白くしてくれるだろう。
 
籠島康弘=文


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