OCEANS

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大学卒業後は派遣会社に就職。旅行会社の経費計算や教育系事業の事務局など、さまざまな仕事を経験した。そして、現在は毎日変わるおばんざいメニューを考える生活となった。
なお、お酒が大好きな翠さん。最近嬉しかったのは炭酸水メーカーを買ったこと。
「割り物とキンミヤ焼酎を買えば、おうちが居酒屋になります。RPGゲームをやりながらお酒を飲む時間は最高ですね。あ、缶やペットボトルのゴミも減りました」。
家飲みはもちろん、ホームパーティーでも活躍しそう。
充実した就寝前の時間を過ごしたあとは、翌日に備えて就寝。翠さんには「寝るときは何かを抱っこしていないとダメ」という一面もある。
「枕がどうもしっくりこなくて。長年のお気に入りはディズニーツムツムの『ドナルド』です」。
年季が入っているのがよくわかる。
店内の本棚には飲食店ではおなじみ、『dancyu』のバックナンバー。中でも鯛のお造りを解説したページは参考になったそうだ。
平造り、松笠造り、そぎ造り、すべて切り方が異なる。
面白かったのは翠さん、話している最中に時々、指をポキポキ鳴らす。
「あっ、中学生ぐらいからの癖なんです。指が太くなるよって言われますが、今のところ大丈夫です(笑)」。
無意識で鳴らすのはリラックスしている証拠と捉えたい。
とにかく、居心地が良い。日本酒のお代わりをお願いします。
「秋田の山廃純米酒、『雪の茅舎』はいかがでしょう。父が秋田出身で、これ私大好きなんです」。
鳴らした指でお酒を注ぐ。
グラスで550円。もうひとつの定番だというおでんも注文したい。大根(210円)、こんにゃく(190円)、そして、どちらも聞いたことがない「深川揚げ」(390円)と「にくらし揚げ」(410円)も気になる。深川は隅田川を渡ったすぐ先の街だ。
美味しいものを少しずつ飲み食いできるスタイル。
「『深川揚げ』にはアサリとネギが入っています。『にくらし揚げ』はニラ、キクラゲ、シイタケの文字を取っていて、練り物屋さんいわく『憎らしいほど美味しい』という意味もあるそうです」。
元ガレージの店で和のドライブを楽しんだ。翠さん、お会計をお願いします。
1号店の「おはしkitchen」、新店舗の「おかげ」もよしなに。
最後に読者へのメッセージをお願いします。
毎日通っても飽きを感じさせない店です。
 
【取材協力】
煮炊きや おわん
住所:東京都中央区日本橋茅場町2-5-11
電話:03-3669-2888
https://ga9x511.gorp.jp
 
「看板娘という名の愉悦 Vol.113」
好きな酒を置いている。食事がことごとく美味しい。雰囲気が良くて落ち着く。行きつけの飲み屋を決める理由はさまざま。しかし、なかには店で働く「看板娘」目当てに通い詰めるパターンもある。もともと、当連載は酒を通して人を探求するドキュメンタリー。店主のセンスも色濃く反映される「看板娘」は、探求対象としてピッタリかもしれない。
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