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コービー哲学は「格下でも軽視しない」

レイカーズに入団してまもなく、コービーは「ブラックマンバ(世界で最も危険な猛毒ヘビの一種)」という愛称で呼ばれるようになり、徐々に存在感を強めていった。その愛称の由縁は、彼自身の強烈な性格にある。
Getty Images
新人時代は、先輩に一切物怖じすることなくボールを独占し、とにかくシュートを打ちまくった。プライベートではチームメイトと一切つるまず昼食も単独行動。チームの練習中には、猛烈なトラッシュトーク(スポーツにおいて相手チームの選手の気を散らせたり、心理面を乱す汚い言葉や会話)を仕掛けて、新人を涙目にさせることもあったという。
怪我の影響でリハビリに専念していたコービーが、久しぶりに練習に顔を出した際には、「明日トレードされる負け犬たちに最後の挨拶をしに来た」と言い捨て立ち去ったというエピソードもある。
それにもかかわらず彼は多くの人々から愛され、尊敬されていた。
NBAファイナルで2度、コービー率いるレイカーズに対峙したコーチ、ハーブ・ブラウンは「(コービーは)対戦相手が格下とみられる場合でも、決して軽視しないことが重要と理解し、献身的なディフェンスとリーダーシップを発揮する一方で、対戦相手をいかにリスペクトしているかを上手く示すことができたんだ」と語っている。

レジェンド、コービーの基盤である“マンバメンタリティ”

マンバメンタリティ──。これは、コービーが生前、事あるごとに口にしていた彼自身が作り上げた無敵のメンタルの名称だ。
その概要を聞けば、誰もがすぐに、彼が数々の偉業を成し遂げ、周囲から尊敬される人物になったことを納得し、そして自分の人生に取り入れたいと強く思うだろう。
「マンバメンタリティ」については、2016年6月の「TED×上海」でコービーが自ら語っている。


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