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7月20日は「ハンバーガーの日」。1971年7月20日、アメリカ発祥のファストフード店であるマクドナルド日本第1号店が東京・銀座にオープンしたことを記念して定められた日だ。
日本にハンバーガーを初上陸させたのは、第二次世界大戦後に横須賀空軍基地などに在留した米軍だと伝えられている。その後、マクドナルドやモスバーガー、ロッテリアなど、私たちにおなじみのチェーンストアが生まれたのは高度経済成長を遂げつつある70年代のこと。それから約半世紀がたち、現在ではハンバーガーはラーメンやカレーと並ぶ「第3の国民食」とまで呼ばれるようになった。
2000年代からは、材料を厳選し手間暇をかけて作るグルメバーガーがブームとなり、「安くて手軽」という従来のイメージとは異なる新しいジャンルのハンバーガーが続々と登場している。
今回はその中でも「ハンバーガー=ファストフード」という概念を覆す「サステナビリティ」に着目した最先端のハンバーガーを紹介しよう。
ハンバーガー×寄付 下北沢の「BURGERS TOKYO」
東京のハンバーガー激戦区のひとつである下北沢から徒歩約5分。下北沢一番街商店街内に店を構える「BURGERS TOKYO」は、「新しいトーキョースタイル」をコンセプトに掲げるバーガーショップだ。
特に興味深いのは、ハンバーガーを1つ購入するごとに、ケニア共和国の首都・ナイロビのスラム街に建つ学校「シープケア・コミュニティ・センター」へと、給食1食分相当の金額が寄付されるという仕組み。寄付は国際NGO「ハンガーゼロ(日本国際飢餓対策機構)」を通じて行われている。
「BURGERS TOKYO」のオーナーである新田拓真は、ボタニカルインテリアブランド「Urban Green Makers」も手がける株式会社USTUSの代表であり、飲食業界への参入は今回が初めてだという。
現在30歳の若手経営者である新田は、2013年に「Urban Green Makers」を立ち上げ、植物を用いたインテリアを1つ購入するごとに3円~30円がアフリカの植栽活動に寄付される仕組みを展開してきた。
2019年10月にオープンした「BURGERS TOKYO」の取り組みは、これの飲食版である。新田が「ハンバーガー×寄付」という形の事業に最初に興味を持ったきっかけを聞くと意外な答えが返ってきた。
「私が育った故郷は宮城県石巻市雄勝町という港町なのですが、 ご存知の通り石巻市は東日本大震災で甚大な被害を受けた地域の1つです。 特に私が住んでいた雄勝町は津波により、家はもちろん町ごと跡形もなく流されてしまいました。その時の町の状況はとても悲惨で、かつての日常生活はすっかり失われてしまっていました。
食料や飲み水すらもままならない生活を初めて目の当たりにした時に、日本は先進国だからなんとか復興していけるけれど、何も食べ物がないような悲惨な状況が日常的に続いている発展途上国の人々は一体どうやって生きているんだろうと考えるようになりました。
日本人は震災時には寄付をする人も少なくないですが、貧困で食料を手に入れられない世界の子ども達に継続的に寄付を行なっている人は多くありません。たくさんの人が支援を継続的に行うようにするにはどうすればよいかと考えた時に、寄付を日本人の日常に馴染ませる仕組みが必要だと思いました。『1つのバーガー、1つの支援』という発想はそこからきています」
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