「人気SUVの初代の魅惑」とは……トヨタ:初代「ハリアー」
SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)という言葉が日本にはまだなく、RV(レクリエーショナル ヴィークル)としてミニバンとひと括りにされたり、クロカン(クロスカントリー)4WDと呼ばれていた1990年代。
日本人にSUVという言葉を広めることになったのが、トヨタの初代「ハリアー」だ。
実はアメリカでは、1980年代にはもうSUVという言葉が存在したと言われている。
ちょうどジープの2代目「チェロキー」やフォード「ブロンコII」などが人気を博していた頃だ。けれど日本やヨーロッパではあまりSUVという言葉を聞かなかった。その理由のひとつに、当時のアメリカンSUVは、トラックの強固なラダーフレーム(梯子状のフレーム)の上に、ステーションワゴンのようなボディを載せたものだったことがあると思う。
トラックの荷台の代わりにボディを載せたような車でしょと。
SUVのS=スポーツとは、モータースポーツの意味ではなく、スキーやスノーボード、サーフィンといったアウトドアスポーツのこと。トラックでこれらのスポーツに出かけるというのは、トラックで農地でもオフィスでもスーパーでも行くアメリカ人と違い、乗り慣れていない日本人やヨーロッパ人には今ひとつしっくりこなかったのだろう。
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