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■ダイハツ「ロッキー」(初代)
頑なに守り続けたオフロード志向

トヨタ「ランドクルーザー」や三菱「パジェロ」、いすゞ「ビックホーン」といった3Lエンジンを積む大型SUVが主流だった1980年代。
RV人気が高まる中でその下のクラスを狙うメーカーがいつ出てもおかしくはなかった。

まずスズキが1988年に1.6Lの「エスクード」を発売。ダイハツも翌1989年に同じく1.6Lエンジン搭載の初代「ロッキー」を開発した。
ボディは3ドアのみ。ルーフにはフルオープンできるサンルーフと、脱着可能なクォーターガラス付きのレジントップが備えられ、ジープのように開放的な走りを楽しむことができた。4WDシステムには本格派オフローダーに人気のパートタイム式と、2WD/4WDの切り替えをしなくてよい手軽なフルタイム式が用意された。
のちにトヨタが初代「RAV4」を、ホンダも「CR-V」を投入し、このクラスの競争も激化。「ライトクロカン」ブームが起きた。
ライバルたちは5ドアモデルを用意したり、街乗りを重視してそのブームに乗っていく中で、ロッキーは最後まで3ドアで武骨な“クロカン”イメージを頑なに守る。しかもフルタイム4WDはいつの間にかラインナップから外され、オフロード志向を強めていった。

結局ロッキーは1997年に生産が終了し、以降「ロッキー」の名前をしばらく聞くことはなくなった。
そして2019年11月、実に22年ぶりに「ロッキー」の名が復活し、現在OEM供給モデルとなるトヨタ「ライズ」とともに大ヒット中。
その陰で、昨今のカクカクボディ人気もあり初代「ロッキー」も再評価されているが、中古車市場でもほとんど台数が無くなってきている稀少種となりつつある。
「SUV大国ニッポン」とは……
武骨で大型。輸入車のイメージが先行することも多いSUVだが、実は日本はSUV大国と言っても過言ではないほど、国産メーカーのSUVが充実している。日本の日本による、日本のためのSUV。集まれ!上に戻る
高橋 満=文


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