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プロユース視点で満載された最新機能

もちろん21世紀基準のプロユースに合わせたタフさと使いやすさを誇る。
「90」「110」ともに、シートは前席のみで、後ろはすべて荷室にあてがわれる。前席は運転席と助手席の間にジャンプシート(補助席のようなもの)を備えれば3人で乗ることも可能だ。
「シリーズI」のときにハードルーフが備えられたのは、顧客の大切な荷物を守るため。現行型「ディフェンダー ハードトップ」でもその思想が受け継がれている。
最大3500kgまで牽引可能なトレーラーなどを付けている場合でも、運転に長けている必要はなさそうだ。
何しろ同社の運転支援技術「アドバンスト・トウ・アシスト・システム」が備わっているので、バックする際はインパネにあるツマミをディスプレーを見ながら操作するだけで、車が自動で動いてトレーラーごと美しくバックできるからだ。
史上最強のオフローダーと称される卓越した悪路走破性は、商用のハードトップになってももちろん健在。
そして走破性は、乗用モデルと同じように現代の最強オフローダーそのもの。
水深900mmの河でも、3Dカメラや川底を探るセンサーなどを使って安心して渡っていけるし、岩が転がる坂でも、まるでドライバーの足元がシースルーになったかのように、車体前部の下の路面をリアルタイムでモニターに表示してくれるから、安全に登っていける。
デジタルバックミラーはボディ後端に備えられたカメラからの映像をリアルタイムで届けてくれるので、運転席から振り返った際に後ろがまったく見えないほど荷物を積んでも大丈夫。
しかしこうした先進技術は日進月歩。車を買ったあとにバージョンアップしちゃった、なんてこともよくあるが、その点もこの車なら安心で、世界のどこにいてもインターネットさえ繋がればシステムを自分でアップデートできる。
3ドアの「ディフェンダー ハードトップ 90」でも十分な積載量。
本国イギリスでは3万5500ポンド(約480万円)で予約販売が始まったが、残念ながら今のところ日本販売のアナウンスはない。
しかし、スマートなデザインに史上最強の走破性、プロスペックのドライブアシストとなんでも飲み込めそうな積載量など、スペックはまさに天下無双。
これは日本のプロのみならず、レジャー好きのためにも、国内販売が開始されることを心から祈りたい。
 
籠島康弘=文


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