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2020.07.07

ポルシェ911(タイプ933)をとは何か? 最後の空冷“が持つ無二の醍醐味

「中古以上・旧車未満な車図鑑」とは……

vol.8:「911(タイプ993)」
ポルシェ、1993年〜1998年

現在8代目になるポルシェ「911」には、それぞれの世代に992、964などの9から始まるナンバーが付けれている。今回はタイプ993、4代目の「911」のお話。
タイプ993の「911」を語るときは“最後の空冷”から始めるのが王道だろうが、それより先に触れたいことがある、それはサイズ感だ。
1993年にデビューした「911」(タイプ993)のカレラの車両本体価格は1065万円。現在の中古車平均価格は約730万円。
タイプ993のベーシックなカレラの場合、サイズは全長4245×全幅1730×全高1300mm。ターボ等になるとリアフェンダーが膨らむので少し全幅は広がるが、このカレラのサイズ、実は現在のトヨタ「カローラ ハッチバック」(全長4375×全幅1790×全高1460mm)よりも小さい。
車のサイズは、年々高くなる衝突安全基準に対応するため、どうしても代を重ねる度に大きくなってしまい、「911」もその例外ではない。
しかしタイプ993を見ると、かつて「911」はコンパクトスポーツカーだったことを思い出させてくれる。当時はその小型ボディの一体感から“ポルシェを着る”という言葉もあったほどだ。
それくらいタイトなボディは、オーシャンズ世代の思う「911」というキャラクターにもしっくりくる。
1993年のデビュー時のカレラは3.6L 水平対向6気筒エンジンを搭載。最高出力は272ps、5速MTと4速ATが用意された。翌1994年には4速ATに変わってステアリング上で変速操作が可能な4速ティプトロニックSを搭載。1996年には最高出力が285psに。
すべてのポルシェにおいて、多くの人々を魅了するのは“普段使いのできるスポーツカー”であることに尽きると思う。
タイトなコックピットや車の隅々の挙動まで感じられそうなコンパクトさも相まって、ステアリングを握りアクセルペダルを踏むと、いつの間にかその気にさせられ、心地良い汗をかける。高速道路を走っても、タイトな山道でも楽しいし、その気になればサーキットでタイムアタックもできる。
しかしイタリア産のスーパーカーと違い、それこそカローラのように段差を気にせずコンビニへサラッと寄れる扱いやすさも併せ持つのだ。
5連メーターは現行型(タイプ992)にも引き継がれている、「911」の伝統デザインのひとつだ。


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