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「F1」の名を冠したマクラーレン初の市販車

1990年に誕生したマクラーレン・カーズ。初の市販車は、1993年に発売されたスーパーカー史上に残る『マクラーレン F1』だ。その構想は、1988年のイタリア・グランプリ終了後、マクラーレン首脳陣がミラノ空港でフライトを待つ間の会話から生まれたという。
1988年といえば F1にとって伝説の年だ。アイルトン・セナ、アラン・プロストが操るマクラーレンのF1マシン「MP4/4」は、16戦15勝という圧倒的な強さでそのシーズンのF1を制した。
この妥協なき設計と生産を、公道車でも同じように成し遂げようとしたのが「マクラーレン F1」だ。
「マクラーレン F1」の新車価格は当時日本円にして約1億円。日常での使いやすさや居住性はホンダの「NSX」をベンチマークしたと言われている。「NSX」はアイルトン・セナの愛車として有名だが、「マクラーレン F1」もセナが第一号車を予約。しかし、サンマリノグランプリの事故により、ステアリングを握ることはなかった。
“F1”の名を冠するだけあって、そのテクノロジーはグランプリマシンからのフィードバックに溢れている。
ボディはF1マシン譲りのカーボンコンポジット材で成型された軽量モノコックボディ。エンジンは6.1L V型12気筒、最高出力は627PSで最高トルクは69.3kg/m。その当時、世界で最も出力が高い車としてギネスに登録されたほどのパワーは、最高速度391km/hというモンスターマシンを生み出した。
ドライバーズシートが中央に1席、その左右少し後ろに2席設けられた3人乗りのスポーツカーという点でも特徴のあるマシンだった。


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