【1本目】世界最古のメーカーの伝説的フレーム
アメリカンオプティカルの「サラトガ(SARATOGA)」。60年代のヴィンテージだ。「僕が持っているサングラスはヴィンテージ、あるいは古いモデルからインスパイアされたものが大半ですね」。
その言葉どおり1本目は、現存する世界最古の眼鏡メーカーとしても知られ、アメリカ政府や米軍への納入実績もある名門、アメリカンオプティカルのヴィンテージ。しかも、アメリカ合衆国35代大統領、ジョン・F・ケネディも愛用していたとされる伝説的フレーム、サラトガである。
「こちらは60年代モノ。ジョン・F・ケネディが務め上げた大統領の任期は、’61〜’63年ですから、なかなかどうして感慨深いものがありますね」。
なるほど、当時に想いを馳せるのもまたヴィンテージの醍醐味だ。
「フレンチヴィンテージとは違い、フレームが大きいので便利です」と使い心地も上々のようである。
【2本目】現行品にはないフレンチヴィンテージのフォルム
ブランド不明のフレンチヴィンテージ。2本目のこちらは、青山の人気セレクトショップ、レショップのオープン当初に購入したフレンチヴィンテージ。7mm厚の小ぶりなラウンドフレームが実に愛くるしいモデルだ。
「現行品にはない味わいと、ブリッジなどに見る独特なフォルムが愛おしいですね。そんなヴィンテージの雰囲気を活かしたかったので、ストレートのガラスレンズを入れました」。
今ではレンズはプラスチック製が大半を占めているが、90年代くらいまではガラスレンズが主流。児島さんらしいアレンジ、さすがである。
【3本目】車中使いは自ら手掛けたコラボ作
金子眼鏡店とキャプテンサンシャインのコラボ作「ハイアニス ポート」。「サングラスは車での使い勝手も大切ですね、僕は」と児島さん。
数年前に金子眼鏡店とキャプテンサンシャインの共作で仕上げたこちらは、フォールディングタイプで今も気に入っている。
「これはかなりヘビロテしているアイテムで、ジョン・F・ケネディが愛用したとされるサングラスに敬意を込めて作ったので、モデル名もハイアニスと付けました」。

ハイアニスとは、アメリカ・マサチューセッツ州ケープコッドにある町で、ケネディ一家と縁の深い町でもある。
ヴィンテージのような味わい深さを湛えながら、今どきのシェイプとフォールディングタイプによる利便性も加味。背景にあるエピソードにもグッとくる。あらゆる旨味を引っ提げた一本、是非とも復活してもらいたいものである。
古き佳き佇まいの一本は、年を重ねて味を増した我々にもすんなりハマりそう。というのは建前で、実際は「照れ隠しにも最適(笑)」という児島さんの本音に、概ね納得。
「夏のサングラス3本勝負」とは……いよいよ到来、ギンギンぎらぎらの夏である。そうなると欠かせないのがサングラス。ファッションとしても、紫外線から目を守る道具としてもマストな外出時のアイテム。センスのいい大人たちはこの夏、何を掛けるのか? お気に入りの3本を見せてもらう。
上に戻る 菊地 亮=取材・文