緊急事態宣言が解除されたそのすぐ直後、
新たな凶報が届いた。結論から言うと、「今年の汗は例年よりクサい」という不吉な報せである。普段から潜在的なニオイ問題を抱えるアラフォー世代は特に無視できないこの問題。しかもそれが同居女性たちの激しいストレスになっている可能性も高いらしい。新たな緊急事態に備えるため、さっそく問題の核心に迫ろう。
女性の7割「同居男性がクサい」
緊急事態宣言が解除された今も、新型コロナウイルスが消え去ったわけじゃない。「#Stay Safe」な外出自粛は今後も続く。
「だからこそ今年の汗は例年以上にクサくなりやすいので、ニオイのケアは必須」と警鐘を鳴らす人物がいる。ニオイ研究の第一人者である五味クリニック院長、五味常明先生だ。
その気になる理由をさっそく聞いてみたいところだが、まずは男性陣が無視できない厳しい現実を突きつけよう。
制汗剤「デオナチュレ」を販売するシービックが、
男性と同居する30~50代の女性約300名に行った調査によると、
うち約7割が同居男性をクサいと思っていることがわかった。さらにその約半数は
「ニオイがストレスとなっている」と回答している。
「ニオイについては家族でも言い出しにくい。お互いの我慢がストレスとなり、それがさらなる『精神性発汗』を引き起こす、負のスパイラルにつながります。家のなかでも制汗剤などでニオイ対策をする必要があります」。(五味先生)
専門家「今年の汗はいつもよりクサい」
では、そのニオイの原因を個別に見ていこう。汗がクサくなる理由は主に3つ。
①汗腺の機能低下、②精神性発汗、③足のニオイ――である。
①汗腺の機能低下
五味先生によると、「今年は外出自粛生活によって、例年より汗をかく機会が少ない。その影響で
汗腺機能が落ちている可能性があります。結果、
ニオイの元となる成分濃度の濃い汗が出やすい状態になっている人も多いと思われます」。
②精神性発汗
これは精神的なストレスや緊張、自律神経の変調などによってかく汗のこと。「精神性発汗は一気にドッとかく汗なので、体温調節でじっくりとかく汗とは違い、
濃い汗が出やすく、ニオイもキツくなりやすいのが特徴です。精神性発汗が起こりやすい
ワキは、汗がこもりやすいので特に注意が必要です」。
③足のニオイ
一見すると無関係に思えるが、五味先生曰く、自粛生活はクサイ足を生む原因となる。「筋力低下で血行が悪くなり、足がむくむと、足にアンモニアが溜まりやすくなります。溜まったアンモニアは汗として排出されるので、ニオイのキツい汗になります。アンモニア臭には、ミョウバン入りの制汗剤が効果的です」。
情報は活かしてこそ。さっそく対策を!
汗腺機能の改善と精神的ストレス軽減のために、できる対策はいろいろある。
習慣的な運動をすること、入浴時に汗をかきやすいワキや足裏などの部位を丁寧に洗って清潔の保持をすること、そして家のなかで過ごす場合も制汗剤をこまめ使い、エチケットを心がけること……などなど、意識を高く持つことはとても大切だ。
それにしても、泣きっ面に蜂である。緊急事態宣言がようやく解除されたというのに、我々はまた新たな緊急事態に直面している。それでもこの情報を早めにキャッチできた幸運を活かし、今から正しくニオイ問題に対処していこう!
話を聞いた人
五味常明●五味クリニック院長。体臭・多汗研究所所長。1949年長野県生まれ。一ツ橋大学商学部、昭和大学医学部卒業。昭和大学形成外科、多摩病院精神科などを経て、「心療外科」という新しい医学分野を提唱。体臭・多汗治療の現場で実践。TVや雑誌でも活躍中。著書・監修本も多数。
「シービック 同居男性のニオイについての調査」概要期間:2020年2月方法:WEBアンケート対象:男性と同居する30~50代の女性約300名原嶋鉄人=文