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スマホを通じて届く空冷ポルシェのエンジン音

——ホームページには「価格応談」になっていますが、ぶっちゃけ、いくらですか?  650万円くらい?
馬渕 詳しい価格は記事になるということもあって、お伝えできないのですが。まぁ、800万円代前半ですね(笑)。
——え! これ、AT仕様のティプトロニックですよね? しかも素のカレラ2。800万円超えるんですね……同じ走行距離で先代911も買えそうな……(苦笑)。
馬渕 はい。そうなんです。これだけのコンディションの個体はもう出回らないのと、右ハンドル仕様がこの世代では稀少でして。最終モデルというのもポイントです。空冷モデルは新車ではもう手に入りませんから。
タイプ964では数が少ないという右ハンドル仕様。
——な、なるほど。“空冷バブル”が収束したとはいえ、良質な車両の相場は依然高止まりということですね。
馬渕 まさに、おっしゃるとおりです。この世代は探している方が大勢いらっしゃいます。
——(気を取り戻して……)。エンジンはかけてもらえるんですか? ショールーム内ですが。
馬渕 はい、もちろんです。エンジン音を聞きたいお客さまは多いですからね。では……
ポルシェ キュル・ル・ルル・ボボ・ボーボボボ・ボボボ……
——不安のない一発エンジン始動ですね。この空冷エンジン特有のバタバタ音がたまりません。
馬渕 ちゃんと聞こえますか?
ポルシェ ボボボボ・ボボボ……
——はい、これが800万円相当の“声”かぁ。なんだか胸にしみます。
馬渕 はい(笑)。随分と高くなったものです。
5つのモードを持ち、アクセル開度などから自動的にモードを切り替えて制御するティプトロニック。
——エンジンの空ぶかしもしていただけますか?
馬渕 はい。踏みますね。
ポルシェ ヴォーン・ヴォーン・ヴォォォォ…。
——嗚呼、ウットリ。最高ですね! ちなみにMT仕様とティプトロニック仕様の価格差は大きいのでしょうか?
馬渕 MT仕様ですと相場は150〜200万円プラスと考えていただければ。本当に多くの方が探されているので、なかなかタマが出てこないですから。不人気なティプトロニックですけど、耐久性もあって頑丈ですし、何より制御も優秀なんです。これはこれで十分楽しめると思いますよ。
——なかなかの金額差ですね、まさかこれほどとは。ちなみに、これまでの整備記録はありますか?
馬渕 正規ディーラーでの整備履歴を証明するステッカーなども貼ってありますし。もちろん、整備記録簿もございます。購入されてからのすべての書類が残っています。

——かなり頻繁に整備されてきた車ですね。
馬渕 そうですね。こういう安心材料が揃っていることも珍しいです。


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