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「価格応談」の空冷ポルシェ911、オンライン商談の始まり

商談するのは車好きの憧れ、1993年式の空冷ポルシェ911 カレラ2(タイプ964)。走行距離は51800km、稀少な右ハンドルでティプトロニック仕様のオートマチック車である。ホームページ上では「価格応談」となっているが……果たして。
狙うは近年の空冷バブルで価格高騰からようやく落ち着きを見せる、フロッグマスクが特徴の空冷ポルシェ911 カレラ2(タイプ964)。ホームページで見る限りは極上だが……。
——もしもし(オンラインは何だか照れますが)
馬渕 こんにちは。先ほどはお電話をいただきありがとうございます。私が馬渕です。
——馬渕さん、よろしくお願いします。さっそく、空冷の「ポルシェ911 カレラ2(タイプ964)」が見たいのですが。
「気軽にあちこち映せるので」と、オンライン商談では「LINE」アプリを使用。
馬渕 はい、かしこまりました。カレラ2 の最終モデル、右ハンドル。こんな感じです。
——そう、これです。状態が良さそうなこと写真でも十分わかったのですが、もう少しお話が聞きたくて。
馬渕 ありがとうございます。こちらは最終モデルの1993年式で走行距離は51800kmと非常に少ない。しかも稀少な右ハンドル仕様とあって、多くのお問い合わせをいただいています。
馬渕代表がお客の“目”となり、いろいろな画角で車を見せてくれる。
まずは車の外観をぐるっとお見せしますね。
——おぉ、写真に偽りなし。とてもキレイですね。どこか直し跡とか塗ったりとかはあります?
気になる部分は別途撮影した写真を後送してくれる。
馬渕 ご覧のとおり、屋内保管されていた個体で内外装ともにキレイなコンディションを保っています。もちろん事故歴はありません。ただ、運転席側ドアのエッジにキズがあり、それをタッチアップした跡がありますね。ドアを開けたときにポンと柱にぶつけたのでしょう。その部分が手直しされています。ここです、ここ。
解像度はそこまで精細とは言えないが、確認程度なら問題なさそう。
——あ、見えました! これくらいなら気になりませんね。バンパーはどうですか?
馬渕 バンパーは飛び石もなく、市場にある911からしたらとてもキレイですよ。歴代オーナーが気を遣って乗っていたことがうかがえますね。ちなみにタイヤ交換は最近のことですよ。見えますか?
2019年の6週目に製造されたことを示す「06/19」の部分をアップで。交換は昨年末と記録あり。
——見えます。溝もたっぷりですし、タイヤの“皮むき(慣らし)”が必要ですね。
馬渕 はい。タイヤにヒゲもついてますので。納車後しばらくは抜群の状態でお乗りいただけるはずです。
こちらの車両は右ハンドル仕様ということで敬遠する方もいますが、なかには右ハンドルしか乗らない、という方も(笑)。当然、国内正規導入車である、いわゆるMIZWA(ミツワ)モノです。
当時のポルシェ正規代理店の証であるMIZWAステッカー。リアガラスに貼付されるこのステッカーの有無で価値も異なる。


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