①食事にもマッチする微発泡ロゼ
1本目は滋賀県のにごり専門ワインメーカー「ヒトミワイナリー」を代表するロゼ。山形、岩手、長野、山梨など、日本各地の契約農家で生産されたブドウを組み合わせた田舎式微発泡ワインだ。
このシリーズは、こちらのパピヨンなら「蝶」といったように、動物のシルエットが描かれたキャップシールがアイキャッチ。また、コルクでもスクリューでもない、テコの原理で開けるストッパーのようなキャップが目印の、ちょっと武骨なボトルデザインが男心をくすぐる。
そして、そんなビジュアルとは裏腹に、味わいはベリーのような華やかな酸味とほのかな甘味、りんごを思わせるジューシーな果実感と、その印象は華やか。
それでいてドライで、昼下がりの一杯にも、食事にもマッチする。今までロゼを敬遠してきた、という人にこそ飲んでほしい1本。手土産にもおすすめだ。
②コロナ禍で解禁された、“村”外不出の極旨ワイン
「どう?」。
こんな気軽な挨拶を意味する、長野県北信地区の方言「なっちょ」がワイン名となった白ワイン。
高山村にある「信州たかやまワイナリー」のこのシリーズには白とロゼがあり、実はともに長らく“村”外不出だったのだが、今回のプロジェクトをきっかけに白のみ全国解禁された、ひじょ〜〜に稀少で美味いワインなのだ。
使うブドウは高山村で収穫されたものに限定。だが、品種構成はなんとシークレット。村のどの畑で育てられたブドウか、想像力を駆使して楽しんでもらいたいというユーモラスなコンセプトなのだ。
フレッシュな果実味と爽やかで透明感のある酸味、豊かなミネラル感……このワインが、この価格で味わえることに驚く。年間1万2000本が生産されるNachoシリーズが、人口5000人の村内販売だけで毎年ソールドアウトするというのだから、その美味しさは推して知るべしだ。
③1週間はヘタらない! 一人飲みスタイルにもオススメ
最後は山形県にある「ウッディファーム&ワイナリー」から赤ワインをご紹介。このワイナリーは自社農園のぶどうしか使わないドメーヌスタイル。
ボジョレーでお馴染み、マセラシオン・カルボニック製法で作ったこちらのワインは、野生酵母を使用。4つのタンクで醸造されたものをブレンドすることで、イチゴや黒糖を思わせる甘い香り、まろやかなタンニン、穏やかな酸と複雑味のある味わいを実現。軽やかな飲み口で、これからの時季は冷やして飲むのがおすすめだ。
抜栓後1週間経っても味が安定しているので、一人飲みや、ちょっとだけ赤が飲みたいというときに開けるのもいいだろう。
今回は3本を選んだが、現在も参加ワイナリーは増え続けているため、まだ知らない絶品ワインに出会える可能性も。参加ワイナリーや飲食店の情報は
Facebookページに随時アップされるので、この機会にチェックしてみては?
※アマビエシール付きワインの販売価格は、店によって異なります。「絶対に家飲みすべき安旨ワイン」自宅時間の増加に比例して増える、家飲み時間。そのパフォーマンスを効率良く上げるため、名だたる業界人から愛飲する安旨ワインをヒアリング。ルールは3000円以下! それだけだ。
上に戻る 林田順子=取材・文