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なぜ復刻版のレベルが上がったのか

多くのブランドが復刻に力を入れるようになった背景には、いくつかの理由があると思っている。
そのひとつが、高級複雑時計ブームの鈍化。中国の高成長などもあり世界的に景気の勢いがあった2000年代には、高級複雑時計が飛ぶように売れた。複雑な機構を搭載した大きくて厚い時計が人気を博し、腕時計に新たな価値観が求められるようになったのである。

ところが、その勢いは永遠ではなかった。
2010年代に入ると新しいものを生み出してもかつてほど売れなくなり、徐々に新規開発コストが重荷になっていく。そこでブランドが目をつけたのが、歴史的にその価値を認められているレジェンドモデルの復刻である。
しかも、デカ厚高級時計の製造で培った仕上げの技術や、付加価値の高いムーブメントを使えば、これまで以上にレベルの高い復刻時計を作れることに、ブランドは気付いたのだ。
もうひとつ、「周年」というキーワードも見逃せない。今からちょうど50〜60年前にあたる1960年〜1970年代というのは、腕時計の歴史的名品が続々と誕生した時代でもある。
その周年を記念して、多くのブランドが本気の復刻を企画している。自らの輝かしい歴史に泥を塗るわけにはいかないから、当然、その物づくりには妥協がない。
 
こうしたいくつもの事情の結果として、まさに今、復刻時計隆盛の時代が訪れようとしているのだ。
「豊作、復刻時計」とは……
2020年は、さまざまなブランドから復刻時計が大豊作。我々が生まれる前に作られたヘリテージモデルから、懐かしい’90年代のあのモデルまで、見た目も気分も昔に巻き戻してくれそうな良質復刻時計をご紹介。上に戻る
安藤夏樹=文


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