#1970’s
フィアット 124スパイダー アバルトラリー
サソリの針にイタリア中がシビれた
1969年に、大衆車であったフィアットの「124」のオープン版として登場したのが「124スパイダー」である。そして1972年、そこにカルロ・アバルトによる劇的チューンを施した高性能モデルが加わった。それがこの「124 スパイダー アバルトラリー」だ。
非力だった車がアバルトマジックにより、スポーツカーを追いかけ抜き去る異様。その姿から“強い”や“速い”の形容詞として「アバルト」が当時のイタリアで流行語になったという逸話もある。
そんなアバルトブランドが復活を遂げ、2016年に登場したのが現代の「アバルト124スパイダー」である。
欧米では「124スパイダー」が現在でも販売されているが、日本では専用チューンを施した「アバルト」版のみ展開されている。車両価格は406万円から。
#1980’s
BMW Z1
BMWの技術の粋は、未来すぎた?
1989年にBMWが満を持して投入したのが初の小型スポーツカー「Z1」。ぱっと見はフツウかと思いきや……そう、ドアがない! 正確には垂直に上下する独特な開閉機構のドアを装備しているのが最大の特徴だ。
そのメカメカしい作りや洗練された足回りなど、
一流の技術屋集団であるBMWが当時最先端のデザインで拵えた車なのだ。
トップとともにドア部分も全開にすればドライバーの上半身はもう横から丸見え。これがこの車の正装で、開放感は抜群ってわけです。
Z1はBMWが未来を託した意欲的モデルにもかかわらず、奇しくも時期をほぼ同じくして現れたマツダのロードスターやメルセデス・ベンツのSLの影に隠れ、その歴史はわずか2年で終幕。当時実際に販売されたのは約5000台という短命だったが、実質的後継モデルにZの名を引き継いだZ3、さらに体躯を大きくしたZ4などが時代の隆盛に合わせて登場した。
現行型である「Z4」はソフトトップながらクローズド時の静粛性は高められており、座席間の距離は長め。シートにはヒーター&エアコンを装備した最新の機能が採用されている。車体をトヨタのスープラと共有していることも大きな話題となっている。
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