OCEANS

SHARE

「控え」であることを自ら受け入れるトップ選手

 
 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
Classic performance from the closer.
LA Clippers(@laclippers)がシェアした投稿 –
 
1986年生まれ、現在33歳のルー・ウィリアムズは、学生時代から全米トップクラスの実力を保持していた。そのため、大学進学をスキップして、飛び級でNBAへの挑戦を決意。2005年のドラフト45位でフィラデルフィア・76ersから指名を受けた。
同選手は、リーグ屈指のスキルと得点力を有するにもかかわらず、“シックスマン”という地位を確立してしまっている。シックスマンとは、ベンチから登場してスターティングメンバーと同様、場合によってはそれ以上の活躍をする選手を指す。
そう、彼はトップクラスの選手でありながら、ベンチスタートを受け入れている非常に珍しい選手なのである。
「普通ならレギュラーで出場して、高い年俸をもらいたいと思うはずだけど、ルーは自ら『控えでいい』とベンチを受け入れている、類を見ない選手。でも、実力はピカイチ」。
清水さんはルー・ウィリアムズについて、そう説明する。
「バスケットボールは体力的に厳しいスポーツだから、必ず控え選手がプレーしなければならないけど、クリッパーズはルーがベンチから出てくるから2軍に交代しても点差を離されない。こんなチームは、ほとんどないんです」。
 

後輩に活躍の場を与え、自分の持ち場で輝く

 
 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
?GAME DAY IN DTLA
LA Clippers(@laclippers)がシェアした投稿 –
 
30歳を過ぎて脂が乗ってきたルー・ウィリアムズは、ロサンゼルスを拠点とするクリッパーズに移籍してから、2年連続(2018、2019年)で「シックスマン賞」を受賞している。昨年も毎試合のように持ち前の得点力でチームのオフェンスを牽引し、チームの最多得点を記録した。
しかし、2019-20年シーズン、クリッパーズにはカワイ・レナード、ポール・ジョージというNBAで5本の指に入る選手が一度に加入することになる。
もちろん、新加入の2人は、年齢的にも先輩であるルー・ウィリアムズの実力やチームへの貢献度の高さを理解しているし、2人の人柄的にもいきなり大柄な態度を取ることはない。しかし、清水さんはこのときのルー・ウィリアムズの対応に、リーダーシップと男気を感じたという。
「チームが新体制になったとき、ルーはカワイ・レナード、ポール・ジョージに『俺は2年連続でチームトップの得点を記録した。ただ、俺は2人が素晴らしい選手であることも承知している。俺は自分の持ち場(シックスマン)に戻って、そこで輝くことに専念するから、心配せずにのびのびプレーしてくれ』と伝えたんです」。
よほどの度量がうかがえる。
「懐が深くないと、こんなこと言えませんよ。もちろん、新加入の2人もルーからそんなことを言われたら、やりやすいに決まってますよね。そして、ルーは宣言通り、シックスマンとして2人に勝るとも劣らない活躍を続けています」。


3/3

次の記事を読み込んでいます。