「NBAのオフコート事情」って?連載「NBA選手のオフコート事情」は、新年度のスタートに伴い、有名選手のリーダー像に着目。初回は、NBAの現役No.1プレーヤー、
レブロン・ジェームズの失敗と成功を紹介したが、今回の主役はオレゴン州を拠点とするポートランド・トレイルブレイザーズのデイミアン・リラード。
デビューからトレイルブレイザーズひと筋、脂が乗ってきた現在はキャプテンを任されている彼から、仕事で役立つリーダーシップのヒントを探る。今回もゲストには敏腕カメラマンで業界No.1のNBAオタクである清水健吾さんをお招きした。
今回のゲスト清水健吾●1979年生まれ。2015年清水写真事務所設立。現在はオーシャンズを始めとするファッション誌やカタログなどで活躍。
雑草魂でトップに上り詰めたNBAスターの軌跡
デイミアン・リラードのヒストリーは、不遇な高校時代から始まる。
当時、何とか有名大学のスカウトの目に止まろうと必死だったリラードは、バスケのために2度の転校を決意。しかし、個人では素晴らしい成績を残していたものの、リラードにトップ校からオファーが届くことはなく、ウィーバー州立大学へ進学。お世辞にも強豪とは言えないマイナー校である。
だが、それでも決して腐ることのなかったオークランド出身の若武者は、大学3年目に全米屈指のポイントガードとしてその名を轟かせ、翌2012年には地元のブレイザーズからドラフト全体6位指名を受け、念願のNBA挑戦の切符を手にする。
そして、デビュー7年目となった2018年、彼はスター選手がひしめくNBAでMVP級の活躍をし、その年のオールNBA 1stチームに選出された。エリート街道からはかけ離れたルートを這い上がってきたリラードについて、清水さんは「雑草魂と不屈の精神で一流の仲間入りを果たした努力家」と評する。
受験や就職活動で思うような結果が残せず、入社当初の評価はそれなり……それでも歯を食いしばってコンスタントに成績を残し、ようやく今のポジションにたどり着いた。オーシャンズ世代には、リラードと似たような境遇の人も少なくないのではないか。
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