「インドアライフ充実術」とは…いくら緊急事態とは言え、頭上に爆弾が降ってくるような状況ではない。だったら、銀のタライが降ってくるような映像作品で大爆笑しようじゃないか。笑いは、唯一人間にだけ許された特権なんだから。
ってことで、前回に続いて年代別に傑作バラエティ番組をピックアップ。どれもDVD化されているので、自宅で涙が出るほど笑おうぜ!
【2000年代】
①『M-1グランプリ』
今では年末の風物詩となった、現代漫才ショーレースの最高峰『M-1グランプリ』。毎年新たな漫才が発明され、新たなスターが発掘され続けている。
昨年は決勝初進出のミルクボーイが見事優勝。「コーンフレーク」をネタにした漫才はM-1史上最高得点を叩き出した。「ノリツッコまない」漫才でブレイクしたペコパや、「狂言」を漫才に取り入れた、すゑひろがりずも注目を浴び、今やテレビで引っ張りだこ。いずれのコンビもそれまでまったくの無名だった。
過去を振り返ると、中川家、アンタッチャブル、ブラックマヨネーズ、チュートリアル……彼らもまた無名時代に颯爽と現れ、人知れず磨き上げた実力を爆発させた。敗者復活戦から這い上がり、その勢いのまま優勝をさらったサンドウィッチマンは、今では好感度ランキング1位の超売れっ子である。
②『すべらない話』
2004年から不定期放送にて続く人気番組で、主催者の松本人志が毎回豪華なゲストとともに“すべらない話”をただただ披露する、というだけの単純明快な構成だ。
今でこそゴールデンタイムで放送される人気番組で、豪華ゲストも毎回登場しているが、初期の放送は深夜枠。レギュラーメンバーたちも売れっ子とは程遠い存在だった。その顔ぶれは千原ジュニア、宮川大輔、ほっしゃん、ケンドーコバヤシ、小籔千豊――など。今でこそみんな超人気芸人だが、当時は全国区ではほぼ無名だったのだ。
兵動大樹の存在も忘れてはいけない。その日いちばん面白かった話に送られる称号「MVS(Most Valuable すべらない話)」で初連覇を達成した彼の話はずれも秀逸で、家族や知人にまつわる何でもない日常の風景を、巧みな構成、独特の語り口、絶妙な擬音や情景描写で爆笑エピソードに仕上げてしまう。その話芸の実力は超一級品である。
話のプロたちによる最高級のエピソードトークに捕まったら爆笑不可避。思わず「すべらんなぁ」とつぶやいてしまうだろう。
2/2