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2020.04.08

からだ

マヨネーズは健康の敵? 活用次第でむしろヘルシーになる方法があった

マヨネーズ
「37.5歳のための調味料〜キホンのキ〜」とは…
バターのかわりにパンに塗ったり、サラダオイルのかわりに炒め物に使ったりと、活用の範囲がますます拡大されているマヨネーズ。
「マヨラー」という言葉が一般的なものになるほど日本人に愛されているが、大人の男性にとっては、やはり敬遠すべき調味料というイメージが強いのではないだろうか?
とはいえ、マヨネーズも種類を選び上手に使えば、健康を損ねるリスクが低くなるだけでなく、体に良い成分を摂取できるというから驚きだ。
詳しい話を、代官山のフィットネス施設に併設されているカフェ「FLUX CAFE」の店長で管理栄養士の冨田絵梨香さんに聞いた。
冨田さん【アドバイザー】冨田絵梨香さん(管理栄養士)
大学を卒業後、管理栄養士として飲食業界で健康と食をテーマとした取り組みに携わる。現在はFLUX CAFE でお客様の栄養面をサポートするほか、スポーツブランドとコラボし運動と食事に関してのイベント開催も行っている。
 

マヨネーズを選ぶ際には、使われている油の種類に注目すべし 

「一般的なマヨネーズは、卵と酢、塩、そして食用油からつくられています。このうち、いわゆる『体に悪い』とされる成分は、主に食用油です。高カロリーというだけでなく、トランス脂肪酸が多い食用油を使っている場合は、体内に悪玉コレストロールを貯めてしまうおそれがあるんです」。
と、冨田さん。一方で、マヨネーズに含まれる卵(主に卵黄)には、次のような成分も含まれているという。
「マヨネーズに欠かせない卵黄には、肝機能を高めるほか、動脈硬化の予防効果などが期待できるレシチンや、血行改善効果などが期待できるビタミンEといった栄養素が含まれています。『マヨネーズにも体に良い成分が含まれている』という根拠は、主にそこにあるのですが、実際の含有量はそれほど多くはありません。マヨネーズを大量に摂取した場合は、やはり食用油が持つデメリットのほうが強くなってしまうでしょうね」。
トータルでみれば、残念ながらデメリットが気になるということになりそうだが……。冨田さんによれば、マヨネーズに用いられている食用油の種類を選ぶことで、デメリットが軽減されるだけでなく、むしろ大人の男性に必要な成分を摂取するための助けにもなるそうだ。
「ポイントは、トランス脂肪酸が少ないとされる食用油を使った製品を選ぶこと。具体的には、亜麻仁油やエゴマ油、大豆油を使っているマヨネーズを選べばほかの食用油に比べトランス脂肪酸の摂取を低く抑えることが可能です。特に、亜麻仁油やエゴマ油に含まれているa-リノレン酸は、血液をサラサラにする効果が期待できるといわれているので、大人の男性向けといえるかもしれませんね」。
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醤油やソースと置き換えれば、塩分の摂取量が抑えられる!

マヨネーズ
もちろん、1日あたりの摂取量にも気を配る必要がある。一般的なマヨネーズの場合、大さじ1杯(15グラム)に含まれる脂質は約11グラム。カロリー換算では100キロカロリー近くになってしまう。
「ですから、何にでもマヨネーズを付けるというような食べ方は、あまりおすすめできません。特にカロリーが気になる人は、活動量が下がる夜間の摂取は避けるべきでしょう」。
一方、マヨネーズに含まれる塩分に注目すると、同量の場合はほかのドレッシングに比べて塩分が少ない傾向があるとも。
「塩分が気になる人なら、ドレッシングのかわりにマヨネーズを使うことで、摂取する塩分が減らせるわけです。さらにいえば、醤油やソース、ケチャップと比べても、同量ならマヨネーズのほうが塩分控えめなんですよ」。
つまり、塩分カットという観点だけでいえば、マヨラーにも理があるというわけなのだ。
「ほかの調味料にもいえますが、大切なのは自分の体調にあわせてバランスをとること。カロリーが気になるならマヨネーズを避けたほうがベターですし、塩分が気になるならほかの調味料をマヨネーズに置き換える作戦も有効といえるでしょう」。
確かに、大人の男性にとって大敵ともいえる塩分や糖分も、適量であれば活動するために欠かせない成分。必要な知識を身につけ、過不足なく摂取できるようになってほしいものである。
連載「37.5歳のための調味料〜キホンのキ〜」一覧へ
「37.5歳のための調味料〜キホンのキ〜」
忙しい毎日を過ごす働き盛りの男たちは、どうしても外食や間食が多めになりがち。そこで覚えておきたいのが、健康的な食事を心がけるうえで欠かせない「調味料」に関する基礎知識だ。砂糖、塩、酢など食品に含まれる調味料の効能を理解し、フィジカル&メンタルのコンディション維持に役立てよう。上に戻る
FLUX-CAFE【取材協力】FLUX CAFE
住所:東京都渋谷区猿楽町3-7 代官山木下ビル1F
電話:03-6452-5778
www.flux-cafe.com/

管理栄養士がメニューを監修し、日々の食事から健康をサポートしてくれるカフェ。「限りなくグルテンフリーに近いおばんざい」と「アスリート飯」という、ふたつのコンセプトを軸に食を提案している。欧米化が進んだ日本人の生活におけるグルテンの過剰摂取と、それによる腸への負担やさまざまな免疫疾患を軽減してくれる食事を求め、ランチやスポーツ後に足を運ぶ人が多い。

 
石井敏郎=取材・文

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