子供が大好きであり、かつ、僕らが酒のつまみとしても楽しめる傑作おやつ「ベビースターラーメン」。
商品誕生から60年を経た今、食品としての新たな価値を創造しようとしている。
Brand Profile 「おやつカンパニー」
1948年、三重県一志郡一志町(現・津市一志町)に設立した松田産業有限会社が前身。当初は学校給食用の麺を製造していた。’59年に「ベビーラーメン」を10円で発売開始(商品名と価格は当時)。以降「ラーメン丸」をはじめとしたさまざまな商品を開発。子供から大人にまで親しまれるおやつを販売する。現在も創業地に本社を置く。
“おやつの会社”は転換期を迎えている
「海外では“スナッキング(※1)”という言葉が使われ始め、おやつと食事の明確な垣根がなくなってきています。日本も例外ではなく、おやつに対する価値観は変わってきている。私たちはもちろんおやつの会社ですが、大きな意味での“食”というカテゴリーに参入するチャンスだと思っています」。
そう語る髙口裕之氏は、おやつカンパニーという企業でマーケティングを実践するために参画した人物である。前身となる松田産業有限会社の設立から70年、「ベビースターラーメン」の誕生から60年。おやつカンパニーはまさに今、転換期にあると言っていい。
「とはいえ私たちの“一丁目一番地”が『ベビースターラーメン』であることは変わりません。そのなかで、日本国内で取り組むべき点は大きく言って2つ。まずひとつはベビースターの名前を冠した数多くの商品を4つのブランドに分け、それぞれの歩いていく道を明確にしていくことです」。
4つのブランドとは「ベビースターラーメン」「ドデカイラーメン」「ラーメン丸」「ラーメンおつまみ」のこと。おやつカンパニーの収益を担う4ブランドであるが、その商品は形状もパッケージもターゲットもまったく違う。
名前の違う“4兄弟”それぞれのマーケティングを行うことで、より深いストーリーを描きたいという。
「もうひとつは4兄弟の長男、すなわち企業価値の源泉である『ベビースターラーメン』を、この先ずっと輝かせ続けていくことです」。
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