これほど心が沸き立つ、これほど率直に「欲しい」と思わせるコラボスニーカーがかつてあっただろうか。
ずばり、ディオールとジョーダン ブランドによる「エア ジョーダン1 ハイ OG」である。
「エア ジョーダン1」のオリジナルの発売は1984年にさかのぼる。NBA史上最高のプレーヤー、マイケル・ジョーダンのシグネチャーモデルとして誕生。以降1994年、2001年など、折に触れ復刻モデルを発表し続けている名作バスケットボールシューズだ。このシューズに端を発したジョーダンシリーズは、現在では「ジョーダン ブランド」としてナイキから独立し、シューズのみならずウェア類などもリリースしている。
さて、普段から「エア ジョーダン1」を愛用しているというディオールのメンズ アーティスティック ディレクター、キム・ジョーンズ。彼がこのコラボにただならぬ熱量を注いでいることは言うまでもない。
シルエットやステッチはオリジナルモデルに忠実。アッパーのレザーには、ディオールがバッグに採用する最高級のものを使用。スウッシュはディオールのシグニチャーのひとつ「ディオール オブリーク」柄。
そして足首部分、ウィングロゴの上には今回のコラボをひと言でズバッと表した “AIR DIOR”の文字が刻まれている。昨年末、これが
登場したランウェイではショーン・ステューシーとのコラボも話題になった。
しかし、ため息しか出ない、素晴らしい仕上がり。マイケル・ジョーダンはキャリアを通じて幾度もMVPに輝いた。そして彼が履いたバスケットボールシューズは、これから先もファッションの世界でMVPを獲得し続けていくのである。
清水健吾=写真 来田拓也=スタイリング 加瀬友重=文