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上司は“チアリーダー”になるべき

このような若者のことを情けないと思ってはいけません。時代が違うだけなのですから。我々が20代だった頃には、ソーシャルメディアは普及しておらず狭い世界だけで生きていました。井の中の蛙大海を知らず。つまり御山の大将だったため、根拠のない自信を持てたのではないでしょうか。
「自信のないやつはいらん」と言うのではなく、そんな時代に生まれた彼らを、チアリーダーとして元気づけてあげることが大事
そして、彼らが自信=自己効力感を得られるように、上司は①成功体験、②代理経験、③言葉による説得、④情動的体験という4つのアプローチから手助けをしましょう。

①成功体験

まずは成功体験を積ませてあげること。とはいえ新入社員がすぐに仕事で成功を収めるのは難しいと思います。では、過去にどんな成功体験をしたか聞くのはいかがでしょう。
彼らだってこれまでの人生で成功した経験は何度もあるはず。過去の話を聞き「あなたはそんなすごいことをしてきたのか」とフィードバックすることで、自分も結構頑張ってきたんだからと自信につながります。

②代理経験

新入社員に、成功している先輩=ロールモデルを観察させ、自己効力感を高めるのもいいでしょう。新人の頃は上司や先輩の商談などに同行しノウハウを学びますが、実はこれも代理体験の一例です。
社内で新入社員が親近感を抱きそうな先輩を見つけてあげ、その先輩がどんなことをして成果を上げているのか、行動を観察させてはいかがでしょうか。結果、「あれぐらいなら自分もできそうだ」「自分はもっとできるかもしれない」と自信を持てるかもしれません。

③言葉による説得

これは、簡単に言うと“第三者による励まし”のことを指します。
人は褒められたり、励まされたりすると、自己効力感が高まります。ダメ出しばかりするのではなく、松岡修造さんのように「君ならできる!」と励ますことも大事。ただ、根拠もなくポジティブなことばかりを言ってもわざとらしく聞こえ、逆効果な場合があります。日々、彼らのことを丁寧に観察し、「そういう君なら、きっとできるはずだ」と根拠を示しながらポジティブフィードバックを行うことで、相手に気持ちが伝わると思います。

④情動体験

情動体験とは、気持ちが高まる映像を見たり音楽を聴いたりすることで、自分自身に「今ならできるような気がする!」という刺激を与えることです。彼らの心が浮上するような映画や音楽を勧めてあげてはいかがでしょう。
これはいちばん手軽な方法といえます。ただ、映画『ロッキー』の主題歌など、オッサン世代がアガる懐メロを勧めるのはやめたほうが無難です(笑)。彼らと同世代の若手先輩社員に勧めてもらうのがいいでしょう。


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