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4:持ったら火傷するぜ!な驚きの機能


「ではこちらは?」と、またも安藤さんからギミッククイズが。あれ? この企画ってそういう主旨でしたっけと思いつつも、次こそは正解しようと必死になる編集部。しかし、今回も我々の想像の遥か上をいく機能を備えた時計だった。
「はい時間切れ! これはケース左上から火が出るライターウォッチでした!」と、それこそ目から火が出るような衝撃の回答が。いや、こちらは“メカ”から火が出るわけですな。さすがは散財王、とんでもない時計をお持ちで。

「本来はガスを入れれば火が点くはずですが、だいぶ昔のものですから現状ではパッキンが怪しいので試していません。そもそも火を点ければ熱を帯びるわけで、時計という精密機械にとって“あり得ない”機能かもしれません。でも、この“禁じ手感”が面白いでしょ」。
映画のスパイ道具を思わせるコンパクトかつスクエアな1本は、正確な年代もブランドも不明なんだとか。であれば逆に、ルーツを想像して楽しんでみるのも大人の嗜みかもしれない。
 

5:当時の夢を腕に載せたテレビ時計


「最後はこの世界初の液晶テレビウオッチをご紹介しましょう」と安藤さん。「電波を受信するレシーバーやヘッドフォンと一緒に使うことで、腕元でテレビが見られるという1982年当時の夢のアイテムですね」。
今や、地上デジタル放送に切り替えられたため本来の機能は果たさない。しかし、そんなことはもはや関係ないのだ。
安藤さんが見せてくれた資料では、電波を受信するレシーバーとヘッドフォンがセットされた姿が。テレビのほかにFMラジオも聴ける。
「この時計は未来的なルックスから、映画『007 オクトパシー』にも登場。ジェームズ・ボンドが使用しています。どのように使われたかはぜひ映画で確認してみて下さい。あともうひとつ言っておきたいのは、時計自体は違いますが、レシーバーのデザインはプロダクトデザイナーの深澤直人さんが担当しているということ。彼が諏訪精工舎(現在のセイコーエプソン株式会社)に在籍していた頃に手掛けたんです」。
人に歴史あり。時計、カジュアルウォッチにも当然、歴史がある。
最大の“ギミック”は、大人を童心に帰らせること?
「ほかにも、ボイスメモやらピアノウォッチやら、ナイフ付きウォッチやら。まだまだギミックが面白い時計は尽きません」と語る安藤さん。
ギミックを積んだカジュアルウォッチは、いい大人を童心に帰らせる。それこそが最大の機能と言っても過言ではない。
あなたはどんなギミックに、心躍るだろうか。
コスパ良しな「コレ買っ時計」とは?
複雑機構ならいいワケじゃない。有名ブランドならいいワケでもない。カジュアルに付き合えて大きなリターンがあるのが理想。見た目もコスパもいい「コレ買っ時計」を、さまざまな切り口で選抜。
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増山直樹=文


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