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2:時代が追いつけなかったコンピュータ内蔵時計


シルバーカラーのスクエアケースに、存在感のある大型液晶ディスプレイを搭載。画面下のオレンジボタンが、なんともいいアクセントになっている。まるでロボットのようなフェイスデザインが無性に男心をくすぐる。
「’98年にセイコー インスツルが発表した、ラピュータというモデルです」。この時計はプログラミングまでも楽しめる画期的な“ウェアラブルコンピュータ”。
「パソコンとジャックで繋ぐことで、データを共有して管理できます。まあ、実際に繋いだことはありませんけどね(笑)。セイコーは1984年にUC-200(UCは腕コンの略)を発表して以来、情報端末として使える腕時計を複数発表しています。つまり今のアップルウォッチが目指していることを、20年以上前からやっているわけです。そして、そのどれもが未来的なデザインでイカしている。
ちょっとオモチャっぽい見た目がいいんですよね。あえてスーツに合わせても面白いんじゃないかなって思いますよ。絶対タダモノじゃない印象になるし、元々は本当にビジネス的な機能を持った時計なのですから」。

実際にボタンを押して動かすと、ピッピッピとレトロな電子音が鳴り響く。ゲームウォッチ的なサウンドが、なんともノスタルジックな気分にさせる。
「実はこれ、ゲームもできるんです。オセロとか。やったことはありませんけど(笑)」。

兎にも角にも、腕になんらかの機能を載せるというワクワク感。それはいつの時代でも、回避不能な男のサガなのだろう。
 

3:電気ショックでアレを治すヘンテコ時計


さて次。いきなり「これ、なんの仕掛けがあるかわかりますか?」と質問を投げかける安藤さん。厚みのある独特なケースの左下には、意味ありげなドットが。よく見るとこちら、スピーカーのようなデザインになっている。録音機能? トランシーバー?
「ロボットが呼べます。というのはもちろんウソです。でもある意味それくらいブッ飛んだギミックです。実はなんと、いびき防止時計なんです。見た目もイケてるでしょ?」
なるほどね〜、っていや、ちょっと待ってください安藤さん。時計でいびきを防止するとは、どういうこと?

「スイッチを入れておくとマイクがいびきの音を拾って、裏面の電極から電流が流れるんです。ほら、ケースバックに突起がついているでしょ。ここから電流が発生する。着けたまま寝て、いびきをかくと、ウワッ! となるわけです。これがけっこう痛い。ほとんど罰ゲーム(笑)」。
なんともヘンテコな機能を備えたこの時計、発売当時は新聞の通販広告ページだけで売られていたという。安藤さんはレトロテイストな見た目に惹かれ、フリーマーケットにて200円でゲット。怪しげな新聞広告までチェックするとは、さすが時計界の散財王……なのか!?


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