連載「Camp Gear Note」●90年代以上のブームといわれているアウトドア。次々に新しいギアも生まれ、ファンには堪らない状況になっている。でも、そんなギアに関してどれほど知っているだろうか? 人気ブランドの個性と歴史、看板モデルの扱い方まで、徹底的に掘り下げる。
ファイヤーサイドは、薪火のある日常やキャンプシーンを彩るさまざまなオリジナル製品を手掛けているブランドだ。さらに、世界中から薪ストーブ関連の道具を輸入販売する日本総代理店としての顔も持つ。
現在に至るまでの会社の歩みを振り返った
前編に続き、今回は代表のポール・キャスナーさんに各道具に込めたこだわりと魅力を解説していただこう。
オリジナル商品の原点であり、ファイヤーサイドの看板商品
ファイヤーサイドを語るうえで、同社の大定番「グランマーコッパーケトル」は外せない道具であることは
前編で述べた通り。
「私のおばあさんが愛用していたケトルを元に作った、オリジナル製品の第1号。熱伝導率の良い銅製で、幅広のボトムが熱を拾うので、お湯がわきやすい理にかなったデザインです。元々は薪ストーブ用に作ったのですが、焚き火の上に吊るすこともできるので、キャンパーにも愛用されています」。
「初めはインドで生産していましたが、現在は新潟県・長岡市と燕市の職人に依頼しています。1枚の銅板が製品になるまでに、20人以上もの職人が携わるんです。国産になって、より長く愛用してもらえるクオリティになりました」。
このケトルだけでなく、長く使い込むうちに風合いが増していく過程が楽しめることもファイヤーサイド製品の特徴だろう。味を出すために、ついつい焚き火をしたくなってしまう道具なのだ。
2/3