OCEANS

SHARE

上下2枚の天板と、2人分には十分な収納


だからキッチンキャビネットには上と下に1枚ずつ、スライド式テーブルが設けられている。
上のテーブルは主に調理時に、下のテーブルは主に食事やコーヒーなどで寛ぐ際に使える。これなら別途テーブルを持っていく必要もなければ、それを開いて配置する手間も時間も不要。
[上]上段の引き出し天板は、立って作業するのにちょうど良い高さ。[下]下段の引き出し天板は、作業台としても、アウトドアチェアに座った状態でテーブルとしても使える。
トランクが小さいパンダにとって、かさばるテーブルやキッチン台を載せなくていいのは大きなメリットと言えるだろう。
しかし、積載量を減らすことがこのキットのポイントじゃない。田島さんの言うとおり「到着した先ですぐにキャンプを始められる」ことこそ、最大の魅力なのだ。それは、キャンプ地に到着した時点からの流れを見ればわかる。
バックドアを開ければ、すぐにコーヒーの準備を開始。
到着したら車を止めてバックドアを開ける。キットのテーブルをサッと引き出し、そのすぐ下にある収納スペースから調理道具を取り出せばすぐに調理に取りかかれる。
お湯を沸かしている間にでも、開けたバックドアにハンギングチェーンを張って、カラビナをかければ、調理道具やランタンなどを吊すこともできる。これなら調理テーブルがごちゃごちゃすることもない。
「こうやってダラダラしてる時間が、いちばん大事でしょ(笑)」。
コーヒーや料理ができたら、下のテーブルを引き出して、そばにイスを構えればいいだけ。一連の動作にまったく無駄がない。田島さんの狙い通り「到着した先ですぐにキャンプを始められる」というわけだ。
収納スペースは上下のテーブルの間のほかにも、キッチンキャビネットの下と、リアシートのあった部分を使える。ちなみに、このときはソロキャンが好きな田島さんが普段から使っている道具を並べてもらったのだが、どれもサッと使えるものばかり。写真では道具がたくさんあって、これだけの道具が収まっていたなんて思えないかも知れないが、実はこれらを収めても、収納スペースにはまだまだ余裕がある。
こうして1人や2人でサッと設営できてすぐキャンプを楽しめるトイ・カーのオリジナル装備が完成した。「材料費は1万5000円くらい。塗装はしません。コーヒーをこぼしてできたテーブルのシミも、“味”になりますからね」。
天板と観音扉を閉じた状態では収納スペースに。中段にはよく出し入れする小物を、下段には寝袋やタープなどを収納するのがオススメ。
もし自分でDIYするなら、採寸を念入りに。そこにどんなものを備えたいのかじっくり考えることが大切だと田島さん。「きちんと採寸して作れば、車にビス留めしなくてもガタつかずにハマるものが作れるはずです。どんなものを作りたいのかを考えることには時間はかかりましたが、作業自体は難しいものではありません」。
小さなパンダだからこそミニマムで、かつ素早く、たっぷりとアウトドアでの時間を楽しめるリア空間。我らがパンダがますます頼もしい相棒になってきた!
 
えっ!? じゃあ寝る場所はどうするんだって? 次回はトイ・カーの寝室スペースになる田島さんオススメのルーフトップテントを紹介する。 乞うご期待!
[取材協力]
カードローブ
Instagram:@cardrobe_tokyo
 
籠島康弘=文


SHARE

次の記事を読み込んでいます。