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2020.03.09

ファッション

手に取ってみたらサステイナブルだったという「ヘルノ」の姿勢に惚れる

サステイナブルな物作りは、今や当然の取り組みへと変貌しつつある。国連サミットが採択したSDGs(持続可能な開発目標)へのコミットメントを、多くの先進国が示している以上当然の潮流だろう。取り組み自体は褒められるべきものだが、言葉のみを独り歩きさせては、いずれユーザーの心が離れかねない。
その懸念に抗うのが、ヘルノの新ライン「グローブ」だ。
サステナブルを意識した新ライン「グローブ」のコート/ヘルノ
今季から登場した、サステイナブルを意識した新ライン「グローブ」から登場。ピッティ イマジネ ウオモでも話題に。本体だけでなく、ジップやボタンといったパーツにもリサイクル素材を使用。タグには、それを通じて商品への愛着も高めようという思いも込められている。各9万8000円/ヘルノ・ジャパン 03-6427-3424
使用する素材は、日本が誇る小松マテーレが開発した「オニベジ」。玉ねぎの外皮に含まれるケルセチンという成分を媒介に、天然色素で着色を施した環境配慮型の合繊素材だ。
こちらのコートにおいては、ボディのリサイクルナイロンでその技術を採用。天然着色&リサイクル素材というサステイナブル2点使いだ。着色に使用するのは、イエローなら玉ねぎ、グレーなら竹炭、ネイビーならインディゴ、グリーンならオリーブといった具合で、それらアイコンが裏地のタグに描かれており、なんとも愛らしい。

ヘルノの取り組みの主眼は、まさにそこ。サステイナブルを謳うのはいいが、アイテムが魅力的でなければ普及していかないだろう。この観点を重視するあたりはさすが。前述のタグだけでなく、美しい発色と洗練のデザイン、シャカッとした軽快な着心地など、まずは「欲しい」と思わせるインターフェイスを備えている。
手に取ったアイテムが、実はサステイナブルだった。それにより、自然と地球に優しくなれるという狙い。押しつけがましくない姿勢にもまた、惚れてしまう。
 
清水健吾=写真 来田拓也=スタイリング 髙村将司=文


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