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昭和な空間に残る、古き佳きHOTする人間関係

注文方法は、屋台に張り出されたメニューを見ながら食べたい品をメモに記して店員さんに渡すスタイルだ。
「最近は若い人たちも出汁割を求めて来ることが多くなってきました。インスタ映えするとかで、皆さん楽しそうに写真を撮っていますよ」と羽根さん。
「昔は締めの一杯として出汁割を飲んで、身体をポカポカにしてから帰路につくという飲み方がベターでした。だから屋台時代からの常連さんは、最初から出汁割を飲む若い人たちを見て『そんなの粋じゃねぇ』と言いますが、ぜひ好きなように飲んでいただければ(笑)」。
店内に掲示されているレトロなポスター。昭和を色濃く感じられて、なんともノスタルジックな気分に。
そうして人生の先輩が若者にダメ出しするところも含め、この店にはまだ昭和特有の人間関係も残っている。
お察しの通り、屋台を囲むスタイルのこの店は基本的に相席だ。見知らぬ客同士で自然と会話が盛り上がることも日常茶飯事なのである。
「屋台というのは昔からそういう場所なんですよね。当時はスマホもないから、名前も知らない人と一緒におでんを囲んで、時間が来たら『それじゃあ、またここで』と別れていた。そうして緩くて温かい人間関係が繋がっていたんですよ」。
昭和20年代からビクともしない、骨太の屋台。令和の時代もよろしくお願いします。
確かに、いつでもどこでもオンラインで繋がれる現代だからこそ、見ず知らずの他人と肩を寄せ合っておでんを突つけるこの場所は、ますます貴重な存在となっていくだろう。
 
IT社会にちょっと疲れを感じたら、四ツ谷の「屋台おでん屋」を訪れてみてはどうか。必ずや心も身体もHOTするはずだ。
 
[店舗詳細]
屋台おでん屋
場所:東京都新宿区四谷1-4-2
営業:16:00~23:00LO(土曜は22:00LO)
日曜・祝日定休
電話:03-3226-0797
横尾有紀=取材・文


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